人類史上、最も読まれた書物のひとつであろうキリスト教の「聖書」や仏教の教えが、ここまで幅広く信仰を集め、語られ続けているのも、ストーリーの力ゆえだ。新約聖書はある意味、イエス・キリストの一生を描いた壮大なアドベンチャーストーリーとも言えなくもないし、仏教の法話もお釈迦様などの主人公が苦悩や苦難を乗り越える姿をさまざまなエピソードで紹介したパーソナルストーリーとも解釈できる。
ストーリーには大きく分けて二つの本質的な特徴がある。
① 誰かの経験、誰かと誰かの関係など、個人に照準をおいたパーソナルな話
② 感情が、糸のように織りなされ、交錯しながら根底に流れていく話
データや数字、抽象的な言葉はなかなか、心に刺さらないが、ストーリーでは、聞く人は主人公の感情の流れに入り込んだかのように、ハラハラ、ドキドキを体感したり、悲しみや驚きに共感する。だからこそ、記憶に残りやすく、理解がしやすい。
聖書や法話が単なる抽象的なお説教だけに終わっていたら、それを絵の題材にしたり、歌にしたり、音楽にしたりといったことも難しかったろう。ストーリーだからこそ、人々のイマジネーションをかき立て、これだけの普遍性と永続性を手に入れたのではないだろうか。
ストーリーはコミュニケーションの「王道」ツール
このようにストーリーはまさにコミュニケーションの「王道」ツールである。では、その最強のツールはどの様に作ればいいのか。まず、その「材料」からお教えしよう。
の6つだ。いかがだろう。皆さんの頭にも何かこの材料を組み合わせて伝えたいストーリーはないだろうか。「最も自分にとってつらかった経験はなんだろう」「思い出深い経験は何だろう」「ほろ苦い思い出は何だろう」。まずは、自分に問いかけてみる。これが今回の宿題。次回は、具体的なストーリー作りの秘密のレシピをご紹介しよう。
さて、友人や肉親など大切な人に聞いておきたい10の質問、前回に続く後編の5つは……。
あなたの人生は自分が思っているほど、平凡でも退屈でも、つまらないものでもない。人を勇気づけたり、励ましたり、元気にしたりする「ストーリー」を是非、発掘してみよう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら