――新婚生活はいかがでしょうか。
喜びとともに、日々、葛藤があります。妻とは年齢差だけでなく、すべてが違いますから。ドメスティックな環境で倹約家の両親に育てられた僕に対して、妻は海外経験が豊富で、子どもの頃は専任の運転手とメイド付きだったそうです。しかし、妻と異なるのは表面的なもので、人間としての素材は同じだと感じています。一緒にいて違和感がなく、横に寝ていることを忘れしまうぐらいです。
そもそも結婚は不都合な関係です。それを思い知ったのは、子どもができてから。生まれたばかりのウチの子はすごく素行が悪い。次の日に大事な仕事を控えた真夜中でも泣き出すし、自分では何もできません。親の都合などお構いなし。0歳児だから仕方ありませんけどね(笑)。帰宅するとひたすら子どもの世話です。でも、「泣かないで~」と必死にあやしていると、愛おしさがこみ上げてくることがあります。
結婚も子育ても自分が思うようになりません。独身に比べたら不都合な世界です。だからこそ、愛情が試され、磨かれて、絆が深まるのだと思います。求められることは幸せ、なんですね。今、充足感が少しずつ確実に積み重なっています。
多くの人は自分を客観視できていない
――いい話ですね。独身男性向けの「夏休みの宿題」をもらう趣旨をすっかり忘れていました(笑)。外見、コミュニケーション、出会いの数。最も短期間で改善できて効果も大きいのはどれですか。
やはり外見でしょうね。デザイン力がある理美容院に行き、眼鏡や洋服選びもプロに任せるだけで、他人に与える印象はまったく変わりますよ。もちろん、ムダ毛の処理やつめを小まめに切るなど、清潔さを保つことも重要です。
自身の外見が他人にどういう印象を与えているのかを、把握している男性が少ないのが実態です。たとえばある婚活会社の調査によると、40代の男性の8割が、自分の見た目年齢が実年齢より若いと思っているそうです。僕は仕事で数多くの40代男性と面会していますが、年齢よりも若く見えるのは1割未満ですよ。
多くの人は自分を客観視できていない、のが本当の問題なのです。たとえば、口角が下がっていたり目元がたるんでいたりすることに気づかない。薄毛であることすら自覚していない男性も少なくありません。
――コミュニケーションに関しても同じことが言えそうですね。さきほど「聞き上手になること」をおっしゃっていましたが、ついつい自分がたくさんしゃべってしまいます。コツがあれば教えてください。
コツはカラオケと一緒です。ほかの人が歌っているときは、手拍子や掛け声で盛り上げるでしょう。曲の途中で相手からマイクを奪うことはしませんよね。女性との会話も同じです。相手に発言権を渡し切る。「あー、なるほど〜」と相づちやうなずきで盛り上げる。「それは違うでしょう」とか「俺の経験では」なんて話の腰を折らない。当たり前のことをすればいいんです。
盛り上がる会話はひとつのテーマで話が5~10分くらい続きます。相手が話したいことをすべて吐き出したら、必ず「青木さんはどうなんですか?」と質問をしてきます。それから自分の話をすればいいんです。イメージとしてはこれくらいがちょうどいい。
でも、おじさん世代はここが難しいんですね。人の話を聞けずについ自慢話などをしてしまう。カラオケにたとえると、相手の曲を「つまらん」と勝手に強制終了して、ドヤ顔でマイ・ウェイを熱唱するようなものです。単に自分に酔っているだけ。しかし、会話の9割は無意識で行っていますから、こちらも外見と同じで客観視できないことが問題点です。
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