質問にもうまい・下手があります。事実関係やプロセスの確認を矢継ぎ早にするのはダメなパターンです。通勤はどれぐらいかかりますか? 20分です。どうやって行くんですか。バスです。これを続けると尋問になってしまいます。上手なのは、相手の体験や感動を再現させるような質問をすることです。人は誰しも、号泣した映画や趣味にハマったきっかけなどを話したいわけですから。
――最後に、出会いの場について教えてください。著書の中でもインターネットの利用をお勧めされていますが、個人的には「出会い系サイトは怖いな」という感想を持っています。この感覚は古いのでしょうか。
出会いの王道はやはり「身の回り」ですよね。既婚者への各種アンケートでも、「学校」「職場」「友だちの紹介」が出会いの7割を占めます。ただし、近年はネット婚活も急増しています。本人確認をする仕組みも整備されつつあり、メジャーなサービスは安心して利用できると言えるでしょう。
モテる努力をしても、40代の男性は恋愛や婚活の勝率が下がるのが現実です。ならば、出会いの数でカバーしなければなりません。婚活パーティや結婚相談所は、母集団が小さすぎますよ。コミュニケーションをする時間が短かったり、申し込む人数に制約があったり、年齢だけで切られてしまったり。ナンパテクニックのない普通の中年男性にとっては、よき出会いの場だとは思えません。
一方、婚活サイトやSNSには申し込み人数の制約などはありません。メッセージ機能で1対1の関係を作りやすい。初めてデートをする前に、お互いの趣味などを知り、仲良くなることも可能です。出会いが少なくて仕事も忙しい中年男性こそ、ネットをフル活用すべきだと僕は思います。
コミュニケーションをより深めていくための手段
青木さんのお話は参考になっただろうか。
ネット婚活に関しては異論があると思う。筆者はSNSに不慣れなのでとりわけ忌避感がある。ただし、初対面の人があらかじめ自分のブログを読んでくれていて、会ったときに「納豆がお好きなんですね」などと言われると、うれしくなってしまうのも確かだ。見知らぬ人にネットでアプローチするのは抵抗があるが、仲良くなりたい人のことをよりよく知り、コミュニケーションを深めていくためにはネットも有効な手段であると認めざるを得ない。
青木さんの話で共感を覚えたのは客観視に関することだ。筆者は妻にあれこれダメ出しをされている。学生時代から使っていた皮ジャンを「やぼったいので捨てたほうがいい」と言われたときは、ショックを受けた。
われわれ男性は、「惰性で続けているけれど実は痛々しい習慣や持ち物」が意外と多いのかもしれない。結婚していなくても、ときには厳しいことを言ってくれる異性の友人知人はいると思う。アドバイスを丸飲みする必要はないが、客観視をするための助けにはなってくれるだろう。読者の健闘を祈る。
(取材協力:40代専門の婚活サービス「ネオクラシコ」、撮影:梅谷秀司)
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