千葉・ユーカリが丘「人口増」ニュータウンの戦略 "自給自足"し続け50年、難題に挑む開発会社

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開発当初から、交通利便性を確保するために新交通システムを導入。どの住宅から歩いても徒歩10分圏内に駅舎があるように、駅の場所と数を決めたとか。また、バスと違って交通渋滞を起こさない点や排気ガスを出さない点も、導入のポイントになったそうです。

「普通の分譲住宅の、建てて売り切るという方式と一緒では、街はあっという間に高齢化してしまいます。また、生活する上で不便を感じるとより快適な街を求めて人が移動してしまうため、必要なものはどんどんつくっているんです。便利であれば人が集まりさらに新しいサービスの提供につなげることができます」

暮らすも働くも「自給自足」の仕組みづくり

ここまで山万の街づくりは順調なように見えます。とはいえ、ユーカリが丘でも住民の高齢化、それにともなう住民の減少や入れ替えは想定しうる課題でした。そのために、中長期的に計画していたプランを断続的に打ち出し続けます。街づくりを行う際には、マンション建設を一気に行わないようにしています。

来たる人口の流動の波を見据えて2013年以降、駅前に新たな高層マンション「ユーカリが丘 スカイプラザ・ミライアタワー」を建設。以降、2024年現在までに多世代型の住居となる駅前立地の大規模マンション「スカイプラザ・ユーカリが丘ゲートフロント」を竣工(WEST SIDE PROJECT)しました。

若い世代の新規流入を促すだけではなく、開発当時から戸建住宅に暮らす高齢者層の、住み替え需要もねらったそうです。

街区をマンション屋上から撮影
街区をマンション屋上から撮影。まだまだ着手されていない緑地も見られる(写真撮影/土屋 比呂夫)
ユーカリが丘駅北口駅前再開発プロジェクト
ユーカリが丘駅北口駅前再開発プロジェクト(通称:イーストサイドプロジェクト)のジオラマ(写真撮影/土屋 比呂夫)

住宅の増設はもちろん、変化する世代の新規流入のニーズに応えて、暮らしをサポートする施設も増やしました。

例えば、テレワークの普及を見据えて、2019年にはシェアオフィス・コワーキングスペースの機能を持つ、多様な働き方や創業を支援するための拠点、佐倉市スマートオフィスプレイス「CO-LABO SAKURA(コラボサクラ)」を、佐倉市と協業する形で誕生させました。

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