7000キロメートル離れた米国とブラジルで、2匹のネズミの脳をインターネットでつなぎ、ほぼリアルタイムで脳の情報を共有する。そんなSFのような実験が実際に行われた。ネズミは何を感じ、何を考えたのだろう。
本書は、第一線で活躍する東京大学の脳科学者が高校生10人を相手に3日間にわたり、講義・討論した記録だ。脳は何のためにあるのか、人らしさとは、私たちの見ている「現実」とは──。最先端の研究成果をひも解きながら、世界の原理を問う旅へと読者を誘(いざな)う。そのプロセスは鮮やかで、一級の講義とはこういうものかと唸(うな)ってしまう。
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