相鉄・東急直通で注目「新横浜」開発遅かった事情 開業後も長年「田んぼの中の新幹線駅」だった
今年3月18日、東急電鉄(東急)の東横線・目黒線と相模鉄道(相鉄)を結ぶ「相鉄・東急新横浜線」が開業する。同線によって東京都心と直結。新横浜駅の利便性は増し、同駅の利用者増が見込まれる。同時に、駅周辺の開発にも弾みがつくだろう。
新横浜駅は東海道新幹線が運行を開始したのと同時、つまり1964年に開業した。駅は横浜線と東海道新幹線との交点に開設されたが、事前には京浜東北線の新子安駅や東神奈川駅に新幹線の停車駅を併設する計画が有力視されていた。また、戦前にも新幹線同様に高速新線を建設する「弾丸列車」計画が練られていたが、そのときは菊名駅付近に停車駅を設置することが検討されていた。
新子安や東神奈川案もあった新幹線駅
横浜市の玄関口となっている横浜駅に新幹線を停車させたほうが利便性が高いのは、誰の目にも明らかだろう。そのため、市当局は横浜駅を新幹線停車駅に望んだ。しかし、新幹線の線形がそれを許さなかった。
市は次善の案として京浜東北線の新子安駅、さらに東神奈川駅に新幹線駅を併設する案を推した。新子安駅は京浜東北線や京浜急行電鉄(京急)が停車するので、横浜駅よりは劣るものの利便性は高い。東神奈川駅も京急の仲木戸(現・京急東神奈川)駅とほぼ同一の場所にあり、新幹線からの乗り継ぎに不便を生じない。だが、横浜市の意向は残念ながら国鉄に受け入れられず、新子安駅案も東神奈川駅案も叶わなかった。
国鉄も在来線との乗り継ぎができない場所に新幹線駅を開設することは利便性を損なうと理解していた。そうした事情から、東海道新幹線と横浜線の交点に新横浜駅を新設した。一帯は湿地帯だった。雨が降るとすぐに地盤が緩んでしまうため、横浜線の線路はかさ上げされた。そのほか、駅の北西部を流れる鶴見川が障害となり、大規模な区画整理が難しいという理由もあった。
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