「新横浜線」開業後の姿は?東急電鉄新社長に聞く 東横線に「有料着席」導入へ、運行計画どうなる
運賃改定「変動制」は考えている?
――コロナ禍も長期化し、テレワークの浸透などで以前は日本有数の混雑路線だった東急田園都市線も混雑率112%(2021年度)まで低下しています。現在の鉄道の利用状況と今後の見通しは。
この第1四半期の輸送状況は、行動制限がなかったことでだいぶ戻りつつあったとはいえ、コロナ前と比較すると定期客は2割5分程度の減少、定期外が8%程度のマイナスだった。混雑については、以前は最混雑1時間の中にピークとなる時間帯があったが、今はほぼフラットに変わっている。例えば混雑率110%くらいであれば、それが1時間ずっと続くような感じだ。混んでいるようには見えるものの、輸送人員としてはそれほど戻っていない。この先どこまで戻るのかなかなか見通せない。
――現在の想定としてはどの程度まで利用回復すると見ていますか。
1つの目安として、運賃改定の際の申請では、定期外はほぼコロナ前と同レベル、定期が23%のマイナスで、全体では86%まで戻ると想定している。現状はそこに近づきつつはあるものの、歩みは鈍いなと感じている。
――2023年3月に運賃改定を実施予定です。値上げのほかに、ダイナミックプライシング(時間帯に応じた運賃)の導入などは検討していますか。
原油高の影響で動力費も相当上がっており、これがボディブローのように効いている。運賃改定には動力費の上昇は織り込んでいないので、これを吸収しながらやっていかなくてはいけない。ダイナミックプライシングは、選択肢の1つとして考えていくことはあるかもしれないが、具体的には検討していない。
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