「新横浜線」開業後の姿は?東急電鉄新社長に聞く 東横線に「有料着席」導入へ、運行計画どうなる

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――2023年春に日吉から新横浜を経て相模鉄道と直通する新横浜線(相鉄・東急直通線)が開業します。新線にはどのような点を期待していますか。

当社は地下鉄日比谷線(1964年開始・2013年終了)を皮切りにさまざまな路線との相互直通を進め、直通による利便性向上は当社のDNAのようになっている。相鉄・東急直通線が開業すると7社局14路線が結ばれ、計算してみると全部で営業距離は250kmにもなる。そのネットワークにつながることで大きな利便を提供できると思っている。また、東海道新幹線の停車駅である新横浜へのアクセス路線となることも非常に大きな意味がある。東急沿線の方をはじめ、これまで新幹線を利用するために品川に向かっていた方々が新横浜に向かうという新しい流れができるのではないかと期待している。

――新横浜線には東横線・目黒線が乗り入れる予定です。すでに多くの列車が走っている両線に新横浜線直通列車が増えると、ダイヤに影響は出ませんか。

東横線・目黒線はピーク時で1時間に24本の列車が走っている。ダイヤの詳細はこれからだが、さらに列車を増やすのではなく、最大24本の中で(新横浜方面と横浜方面などを)どう割り振っていくか、目黒線は日吉より先に運行をどれだけ延ばすかといった形で検討していくことになるだろう。

相鉄・東急直通線
相鉄・東急直通線の開業後、相互乗り入れはさらに拡大する(撮影:尾形文繁)

ネットワークの拡大で運行が複雑化するとトラブル時の対応などを懸念されるかもしれないが、その点については運輸司令の更新や列車無線のデジタル化など運行システムの刷新を進め、トラブルが起きても対応できる仕組みづくりを進めている。相互直通先とも連携して万が一の際にどこで折り返すかなどの検討にも取り組んでいる。列車の行先も増えるので、しっかり案内できる体制もつくっていきたい。

東横線にも「有料着席」導入

――今年6月、東急多摩川線を延伸して蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ「新空港線」(蒲蒲線)の整備に関して東京都と大田区が経費負担割合で合意し、実現に向けて一歩前進しました。新空港線についてはどう考えますか。

新空港線は大田区が長く取り組んできた路線で、われわれも賛同しつつ検討などには参画してきており、一歩前進したと認識している。同線は蒲田駅と京急蒲田駅間の約800mを結ぶだけの路線ではなく、東京・埼玉方面からの空港アクセスに重要な路線という大きな位置づけの中で検討されてきた路線だと思う。現時点では意思決定はしていない状態だが、われわれも協力していくべきと考えている。

――大井町線に次いで、東横線に有料着席サービス「Qシート」の導入を発表しました。

まだ運行開始時期などは決まっていないが、東横線にも導入する。同線は両端の駅で折り返しが可能で、停車時間を確保して出発待ちができるため、比較的導入しやすいという設備的な利点がある。検討は大井町線への導入直後あたりから始めていた。相鉄・東急直通線の開業に合わせて東横線は8両編成を一部10両化するので、その際の車両新造のタイミングなどが重なり合って実現できることになった。ただ、運行開始の時期は相鉄・東急直通線の開業とは関係ない。現状では2023年度以降ということのほかは決まっていない。

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