東急田園都市線ホームドア「支障」の意外な共通点 駅員の負担軽減、「センサーの汚れ」対策とは?

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ホームドアは風雨にさらされながら日々稼働している(記者撮影)
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首都圏をはじめ都市部の路線で設置が進むホームドア。乗客の転落や列車との接触などといった事故の防止に大きな効果を発揮する一方で、ホームドアそのものによる新たな悩みも生まれている。

想像がつくのは駆け込み乗車に伴うトラブルや機械の故障などだが、大手私鉄でいち早くホームドアを整備した東急電鉄の田園都市線で課題となったのが、ホームドアと列車の間に取り残された人や障害物などを検知するための「3D支障物検知センサー」の汚れだ。安全確保のために重要な装置で、汚れは正常な動作を妨げる恐れがあるとともに、対処する駅係員の負担も大きい。

何が原因で、どうすれば防げるのか。とくに多発していた同線の「長津田駅管内」、中央林間―田奈間の駅に勤務する駅助役と係員ら4人が、汚れの発生しやすい条件を突き止め、対策を編み出した。

危険度の高い「汚れ」拭き取り作業

東急線のホームドアは路線によってタイプが異なる。同社電気部設備保全課の石井友和さんによると、田園都市線のホームドアにあるセンサーはレーザーを照射し、その反射の数によって人や障害物を認識する仕組みで、表面に多少の汚れなどがあっても支障物と誤認しないよう、40cm以上離れた場所を検知するという。

ホームドアの「3D支障物検知センサー」(記者撮影)

一方、40cm以内の距離で一定の検知が3分続くと「汚れ」と判断し、駅の事務室に警告が出る。

センサーに汚れがあると、実際に障害物があるのに検知されなかったり、ドアが閉まらなくなってしまったりする恐れもあり、警告が出ると駅係員は毎回清掃に行かざるをえない。センサーは線路側にあるためドアを開けて作業する必要があり、「お客様への対応などの業務がある中で時間を取られるだけでなく、とくに雨の日は転落のリスクも高く危険度が高い作業」と、プロジェクトメンバーの1人である荒川壮太さんは語る。

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