東武「台風で浸水」想定、列車避難計画の現実味 深夜に高架へ移動訓練、車内には「仮設本区」

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深夜の越谷駅に並んだ南栗橋と北春日部の車両基地から“避難”してきた列車(記者撮影)
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浅草と北関東を結ぶ特急や地下鉄直通の通勤車両が行き交う東武鉄道の東武スカイツリーライン。北千住駅―北越谷駅間は、国内私鉄で最長の18.9kmを誇る複々線区間で、各駅停車と優等列車を同方向に並べて走らせることができる。そのほとんどは高架区間となっている。

北千住駅の乗降人数は東武の本線系統で最多(2020年度1日平均)。地下鉄日比谷線への直通のほか、千代田線、JR常磐線、つくばエクスプレスに乗り換える通勤・通学客でにぎわう。2番目に多い新越谷駅は、高架のJR武蔵野線をさらに跨ぐ高さが特徴で、同線の南越谷駅との乗換駅だ。

越谷駅に列車が“避難”

北隣の越谷駅は、北越谷、越谷レイクタウンと周辺に「越谷」を冠した駅が複数あるなかで、市役所にも近く、古くから街の中心部に位置する。上り・下りそれぞれに島式ホームを挟んで急行線と緩行線、その外側に通過線がある2面6線の駅構造になっている。

7月3日の終電後、静まり返った深夜の越谷駅に6本の電車が集結する光景が見られた。これは東武鉄道が東武スカイツリーライン、日光線、東武アーバンパークラインの一部区間を対象に実施した「車両避難訓練」の一場面。台風の接近を想定して「あらかじめ策定した避難計画案に基づき、車両を車両基地から非浸水エリアである高架区間に移動させる」ための手順を確認する目的だ。

車両基地の南栗橋車両管区から2本、春日部支所から4本の列車を越谷駅まで臨時回送列車として走らせたほか、東武アーバンパークラインでも七光台支所から2本の列車を高架の野田市駅へ移動させた。乗務員は業平橋、春日部、南栗橋、七光台の各乗務管区から参加した。

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