春日部からの避難車両の内訳は、日比谷線に直通する座席指定列車「THライナー」用の70090型7両編成と、特急「リバティ」用の500系6両編成が1本ずつ、通勤車両の70000型7両編成が2本。7月4日1時15分から1時35分にかけて車両基地最寄りの北春日部駅を出発した。同じころ、南栗橋駅を50000型10両編成2本が発車している。
このうち、春日部支所所属の500系は「非常持ち出し備品」を積み込み、1時20分に北春日部駅を発車した。上り線を走り、越谷駅をいったん通過。草加駅を経て、北千住駅構内の引き上げ線で折り返し、下り線に入って北上、2時12分ごろに越谷駅の下り急行停車線に到着した。
車内での出発点呼も
前後してほかの列車も続々と入線。下り通過線から上り緩行線までの4線に6本の列車が収まった。越谷駅の通過線に通勤車両、急行停車線に特急車両が留まるのは、普段なら見られないはずの並びだ。2時30分ごろにはすべての対象列車の避難が完了した。
500系に載せた非常持ち出し備品には、水やかんぱんといった食料のほか、アルコール検査器や出発点呼簿など、列車運行の必需品が含まれる。乗務管区が浸水して使えなくなった場合は「仮設本区」を設置する必要があるためだ。訓練では運転再開時を想定し、500系車内の仮設本区で乗務員のアルコール検査や出発点呼をシミュレーションした。
車両避難訓練は2021年にスカイツリーラインで2本、アーバンパークラインで1本を使って実施したことがある。2022年は本数を拡大、関係する各部署への負荷を増やした。同社運輸部運転課の課長補佐、友寄孝信さんは「実際に逃がす場合は、車庫からどう出すか、混乱も予想されるが、訓練を積み重ねることでできる限り計画に近づけていきたい」と狙いを話す。
運輸部管理課の課長補佐、長秀明さんも「いかに身に迫っていることなのか実感してもらう工夫が必要だ。『訓練のための訓練』にならないように、いつ大規模な命令が下っても対応できるように練度を高めておく」と強調する。
東武鉄道の列車避難訓練
前へ
-
スカイツリーラインの1日が動き出す
(記者撮影)
-
北春日部駅に最終電車が到着
(記者撮影)
-
最終電車後に車両避難訓練が動き出す
(記者撮影)
-
春日部支所を出発した70090型
(記者撮影)
-
後ほど越谷駅で合流する
(記者撮影)
-
北春日部駅に到着した500系
(記者撮影)
-
北春日部駅は春日部支所の最寄り駅。春日部駅の
1駅北にある(記者撮影)
-
500系に積み込む非常持ち出し用備品。ポータブル電源や
アルコール検査器も(記者撮影)
-
500系に積み込む非常持ち出し用備品。乾パンや水なども
搭載する(記者撮影)
-
500系に非常持ち出し用備品を積み込む
(記者撮影)
-
北春日部駅をまもなく発車する
(記者撮影)
-
走行中の500系の車内
(記者撮影)
-
北越谷駅を通過。浅草駅方面へ向かって走る
(記者撮影)
-
北千住駅のホームの先で折り返す。
深夜の踏切を通過(記者撮影)
-
北千住駅の下りホームに到着
(記者撮影)
-
北千住駅の下りホームに到着
(記者撮影)
-
ひっそりとした夜中の北千住駅
(記者撮影)
-
ひっそりとした夜中の北千住駅
(記者撮影)
-
避難先の越谷駅に到着
(記者撮影)
-
越谷駅に停車する避難列車。70090型(左)と
70000型(記者撮影)
-
越谷駅に停車する避難列車
(記者撮影)
-
南栗橋車両管区所属の50000型(左)が
浅草方面から到着(記者撮影)
-
南栗橋車両管区所属の50000型。
通過線に停車する(記者撮影)
-
越谷駅の浅草駅寄りの線路上にも2本が到着
(記者撮影)
-
北越谷駅で並んだ避難列車
(記者撮影)
-
2時30分ごろには避難が完了
(記者撮影)
-
急行停車線の500系(左)と通過線の50000型
(記者撮影)
-
通常はこのような並びになることはない
(記者撮影)
-
500系の車内に設置した「仮設本区」
(記者撮影)
-
仮設本区で乗務員のアルコール検査
(記者撮影)
-
仮設本区での出発点呼
(記者撮影)
-
ポータブル電源を使ったアルコール検査器
(記者撮影)
-
仮に停電してもアルコール検査器ができる
(記者撮影)
-
通常の春日部乗務管区でのアルコール検査
(記者撮影)
-
通常の春日部乗務管区での出発点呼
(記者撮影)
-
越谷駅からまもなく春日部支所に戻る
(記者撮影)
-
春日部支所に到着
(記者撮影)
-
始発電車前の春日部支所
(記者撮影)
-
スカイツリーラインの1日が動き出す
(記者撮影)
-
北春日部駅に最終電車が到着
(記者撮影)
次へ
1/38
無料会員登録はこちら
ログインはこちら