働き盛りの男性が陥る"かくあるべし思考"の弊害 周りにも義務感を押し付けて縛ることが多い

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いずれにしても、うつ病の怖いところは、徐々にこうした決めつけが激しくなり、最終的には自殺に至る可能性があるところです。

やはり、うつ病になる前からなるべく不適応思考に陥らないよう注意する必要がありますし、うつ病になったとしても、普段から物ごとの捉え方を変えていくように心がけることが大事です。

問題なのは性格ではありません。「物ごとをどう受け取るか」です。

起きた出来事や現実をどう受け取るかは、ある意味では習慣やくせのようなもので、意識して変えていくことができます。もちろん簡単ではないかもしれませんが、意識的に取り組むことで改善していけるはずです。

どんなことでも続けていけば「習慣」になり、いつの間にか自然にできるようになります。習慣が身につけば、性格も少しずつですが変わっていきます。

ですから、将来うつになりたくない、また、これ以上鬱々とした生活を送りたくないと考えているのであれば、今この瞬間から変えていけばいいということです。

「この道しかない」と思い込まないで

「かくあるべし」と思い込むのをやめて、60代までに身につけておきたいのが「あれもあり、これもあり」「やってみなけりゃわからない」という考え方です。

うつ病は誰でもなり得る病気だけれども、「この道がダメだったら終わり」ではなく、「この道以外にも、たくさんの道がある」と考えていたほうが、ネガティブ思考やマイナス思考にとらわれにくくなります。

ですから、私はうつ病の患者さんの話を聞いた後、よくこのように話しています。

「その考え方もあるかもしれませんが、こんな考え方もあるかもしれませんよ」

「やってみないと、そうなるとは限りませんよね」

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