働き盛りの男性が陥る"かくあるべし思考"の弊害 周りにも義務感を押し付けて縛ることが多い

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

東大医学部を卒業したら、そのまま医局に残って大学病院の教授になるための出世レースに勝ち残るのがエリートコースです。大学病院の教授は勝ち組、それ以外は負け組と見なされるわけです。

しかし実際には、大学病院では教授の言うことを何でも聞かなければいけないようなところが多いので、毎日が我慢とストレスの連続です。

一方、開業医になれば、自分で何とか医院を経営していかなければいけないけれども、上司の言うことを我慢して聞かなければいけないということはありません。

また、大学病院で教授になり、医師の世界で「勝ち組」と呼ばれていた人たちも、定年退職後に満足できる再就職先に恵まれるかといえば、必ずしもそうとは言えないのが現実です。元教授が定年退職後の就職先に困っているなんて話もよく聞きます。

しかし、開業医であれば60代以降もまだまだ稼げますから、年をとってからも、自分なりのペースで豊かな生活を送っている人も多いのです。開業した病院を大きくして、元教授を雇っている開業医もいます。

このように、何が勝ちで何が負けかなど誰にもわかりません。もちろん人によっても違いがありますし、本当のところはその人が死ぬまでわからないのです。

中学受験も同じではないか

私は医師の仕事のかたわら、長年、受験業界の指導もしていますが、中学受験などでも同じことを感じています。

近年は中学受験がますます過熱していますが、「我が子をこの中学に合格させなければいけない」「この中学に落ちたら、東大や医学部に行けなくなってしまう」と思い込み、もはや教育虐待と思われるような厳しい指導をしている親も少なくありません。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事