営業マンなしで「年400万本」売れる焼肉たれの秘密 「戸村のたれ」なぜ小さな肉屋のたれが全国へ?

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そして、バナナの空き箱にたれを50本並べて出荷していました。材料であるバナナの空き箱がいっぱいあったので、それを生かせばいいかということで。後から箱を作りましたけど、昔はバナナ箱だったんですよね。

でもスーパーの2階がすぐに手狭になり、スーパーの横に土地を買ってたれ工場を作って、そこも手狭になったんでもう別のところにたれ工場だけを作って……ということを繰り返してどんどん工場が大きくなって今のここは6代目です。

戸村フーズ
6代目となる現在の戸村フーズの工場(筆者撮影)

―地道に着実に工場を大きくしてこられたんですね。創業者はどんな方でしたか?

商売人であるのはもちろんアイデア、遊び心、そして決断力のある方でした。とにかくすぐ行動する、そしてやってみてうまくいかんなと思ったらパッとやめる。僕もいろんなところに連れ回されて……いや、連れて行っていただきました(笑)

―やめる決断も大事ですね。

一番の営業は「ちゃんとしたものをちゃんと作る」

―ミヤチクの営業マン、スーパーの取引業者、レシピサイトなど「戸村本店の焼肉のたれ」が広まっていく背景には多くの人たちの推薦があるのですね。

ありがたいですね。そうなると僕たちがする一番の営業というのは、安心安全で、お客さんに喜んでもらえる“ちゃんとしたものをちゃんと作る”ことじゃないでしょうか。これは工場のスローガンにしています。

―当たり前のように聞こえますが、それが実は一番難しいですね。

当たり前を続けるには大変なエネルギーが必要です。それを何十年続けて、伝承していくのは難しいことです。いろんな戦略や狙いがあったとしても、結局のところ作るのは人間ですから。その人たちがちゃんとした考えでやってくれることが大事です。

だからスローガンは難しい言葉を重ねるよりも、ストレートに“ちゃんとしたものをちゃんと作る”って言ったほうが伝えやすいかなと思っています。

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