道の駅から「おばあちゃんの味」が消える深刻事情 「いったいどうすれば」困惑する生産者たちの声

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手作り漬物
高知市で開催される「日曜市」に並ぶ漬物。今、こうした漬物の販売が危機的状況を迎えている(写真:筆者撮影)
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各地の道の駅や産直市などで売られる手作りの漬物が、存続の危機に瀕している。食品衛生法の改正に伴い、2024年6月以降は、専用の加工場など衛生的な施設で製造した漬物しか販売できなくなるからだ。

各地の道の駅や直売所によると、やめる人はかなりの割合にのぼると思われ、地域で長年愛された味が危機を迎えている。実態を追った(全2回。今回は前編です)。

いったいどうすればいいのか…

「いったいどうすればいいのか困っています。長年喜んでもらってきた味を、できるだけ守り続けたいが……」

高知県高知市で、毎週開かれる日曜市。

300年以上の歴史を持つ街路市で、全長約1kmにわたり、新鮮な野菜や果物、水産加工物や菓子など、地域の味がずらりと並ぶ。農家が作る大根やキュウリ、白菜などの漬物も人気で、それぞれの馴染みの味を求めて、地元の常連客や観光客が多く訪れる。

その中の1つ、大根やカブの自家製「古漬け」を販売する野村慎一さん(72)は、祖父の代の60年以上前から、日曜市で漬物を販売する。食欲を刺激する昔ながらの古漬けの香りに誘われ、多くの客が足を止める。

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