石丸伸二的な話し方「石丸構文」堂々使う人の末路 本当に「論理思考力が高い人」ならどうするか

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このように、相手の曖昧な口調を狙い撃ちしてマウントをとろうとする部下たち。もう少し空気を読んだり、忖度することも組織人として必要なのではないか、と思えたりする。

真に「論理思考力が高い」人は柔軟性がある

結論から書くと、「石丸構文」のような質問や発言をしていると、本人のためにならない。なぜなら論理思考力が高まらないからだ。

本当に論理思考力が高い人は「柔軟性」がある。将棋のプロで考えたらいい。目先の「歩」が欲しいからといって、自分の駒を動かしていいわけがない。一手、二手先を読んで駒を動かさなければ勝てない。

いったん右に移動させよう。いったん後ろに下がろう。すると相手はこのように出てくるから、次はこの手を打とう、と先読みするはずだ。だから論理思考力が高い人は、

「相手が言っていることは間違っているが、ここはいったん引こう」

「この件に関してはいったん承諾するが、あとで課長に釘を刺しておこう」

など「妥協点」や「落としどころ」を探るのだ。組織で働いているのなら、なおさらのことだ。

以下の4つのパターンで考えてみよう。

(1)Win-Win:自分も勝ち、相手も勝つ
(2)Win-Lose:自分が勝ち、相手は負ける
(3)Lose-Win:自分が負けて、相手が勝つ
(4)Lose-Lose:相手が負けて、自分も負ける

マウントをとって優位に立とうと考える人は、「(2)Win-Lose」が一番成果が最大化すると思い込んでいるだろう。

しかし、それは勘違いだ。あまりに相手を打ち負かそうとしていると、自分まで負ける「(4)Lose-Lose」という最悪な結果になることもある。

相手も勝たせて自分も勝ったほうが、自分が手に入れる成果は大きくなるものだ。だからベストは「(1)Win-Win」。

松下幸之助氏も稲盛和夫氏も「利他の心」がないと商売はうまくいかないと説いた。本当に論理思考力が高い人はそれを理解している。

そして、そういう人たちは、必要あればプライドを捨てて謝罪することもできるし、相手に優越感を持ってもらうための配慮もできる。

面白半分に「石丸構文」を真似るのはいい。しかし優越感に浸るためならやめよう。ビジネスにおいての原理原則は「相手の立場に立って考える」だからだ。

横山 信弘 経営コラムニスト

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よこやま のぶひろ / Nobuhiro Yokoyama

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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