生成AIへの取り組みでアップルの歯切れが悪い訳 協業するオープンAIとの間にも微妙な距離感

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キーワード入力だけでなく、画像や音声などでも検索ができる「マルチモーダル検索」も、オープンAIが2023年にリリースした「GPT-4」ですでに実用化されていたことを考えれば、驚きのあるものではありませんでした。

マルチモーダルAIはすでに業界の主流であり、今後もこの領域が進化していくと予想されます。

2024年のGoogle I/Oには、そこまでの目新しさは感じられず、想像の範囲内だった、というのが個人的な感想です。加速する生成AIの開発競争の中で、ユーザー数がすでに多く、期待値も高いために、少しでもエラーが起こると批判が殺到してしまうというジレンマと苦闘する姿がうかがえました。

また、発表の多くが、あらかじめ用意されていたと思われる映像で行われたのに対して、引っかかりを覚えました。

リアルタイムのデモではなく、映像だと、本当にその映像と同じように動作するのかどうか、わかりません。

歯切れが悪かったアップルの「WWDC24」

アップルの開発者会議であるWWDCは、2024年は6月10~14日に開催されました。

次期OSへの取り組みは、映画のようなつくりの映像を使って発表され、スティーブ・ジョブズ氏が存命だった頃は発表イベントでライブ感を重視していたものが、映像を鑑賞するというスタイルに切り替わっています。

iPhoneからApple Watchまで、さまざまなOSの取り組みが発表され、Vision Proの日本発売も発表されましたが、中でも注目だったのが、AIへの取り組みです。

Apple Intelligenceという独自に名付けたAIへの取り組みが発表されましたが、他の競合でもできることが多く、アップルは独自では生成AIへの取り組みが難しいのではないか、という感想が出てきます。

これまでのチップも活用して、デバイス上でAIの機能を実現することは素晴らしいのですが、アンドロイド端末と比べての反応速度は十分なのかという疑問や、現在の半導体はこの進化する時代に十分に使えるのかという疑問は残ります。

オープンAIのGPT-4oが年内にOSレベルで組み込まれることも発表されましたが、オープンAIをリードするアルトマン氏が会場に来場するも登壇はせず、距離感を感じさせました。

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