大和ハウス、執務フロアに「ファミマ出現」の全貌 「オフィス内コンビニ」は全国20店ほどの珍しさ
大和ハウスの東京本社・本店ビルで14階と23階のフロアの大規模改装が完了したのは今年5月のことだ。改装と同時にファミマも開業した。
29坪の面積の店舗には無人決済システムも設置しているが、基本的にはスタッフがいる。並んでいる商品数は1200種類。通常の路面店の3分の1だが、仕事中でも手軽に食べられるお菓子類が充実している。
とくにグミの品揃えは一般の路面店よりも多い。トイレットペーパーなど日用品も配備されている。業務終了後に日用品を購入して、そのまま帰宅する社員がいるようだ。
大和ハウスがコンビニを誘致したのは、働き方改革の一環としてフロアを刷新し、それに伴って社員にとって便利な労働環境を提供したいとの考えがあるからだ。
条件面の折り合いがなかなかつかず
1999年に竣工した大和ハウスの東京ビルは、収容キャパが2000人となっている。だが、現在はビルに入居するグループのスタッフが3500人を超える。
「フロアに席が足りない。打ち合わせする場がない」。そんな苦情が総務部に数多く寄せられ、これに対応するために一部フロアの大規模改装を決断。昨年8月にプロジェクトチームが発足した。
フロア改装の具体的な計画策定にあたり、事前に社員アンケートを募ったところ、「『新しいフロアにカフェやコンビニを入れてほしい』との要望が最も多かった」(改装プロジェクトリーダーの小松祐太氏)。
社員の士気が向上すると判断し、コンビニ誘致の交渉に乗り出した。ところが、折衝は難航した。「複数の会社に声をかけたが、条件面の折り合いがつかなかった」と、小松氏は振り返る。
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