大和ハウス、執務フロアに「ファミマ出現」の全貌 「オフィス内コンビニ」は全国20店ほどの珍しさ

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大和ハウスのように1企業しか使用しないオフィスコンビニは事例が少ない。費用負担や品揃えをどうすればいいのか、コンビニ運営会社側にとって悩ましい側面があった。休日は基本的には営業しないこともあり、月商のメドが立つのかどうかという不安もあった。

交渉は暗礁に乗り上げ、半ばあきらめかけていた。そこに事業面でつながりのある部署の社員から、「ファミマが『提案したい』と言っているよ」と声がかかった。

ファミリーマートは無人レジや無人決済店舗を活用したオフィスコンビニを運営している。人件費をなるべくかけない運営のノウハウを持っていた。

また、大和ハウスの店舗限定でファミマの自社アプリ「ファミペイ」で決済すると「ファミマポイント5%還元」を実施する需要喚起策を提案した。ほかにも取扱商品の多さやコーヒーマシンの設置などもあり、これらが決め手となって出店が決まった。営業開始予定のわずか1カ月前となる今年4月のことだ。

開店後は順調に稼働しているようだ。小峰一平店長は次のように語る。

「最初は採算ギリギリのラインだったが、今は社員のご利用が増えて日販も上がってきたので利益を確保できている」

コンビニ以外にも環境を大きく見直し

大和ハウスがフロアの大規模改装に伴って職場環境の改善を狙った施策は、コンビニ誘致だけではない。14階にあるワークスペース「JUNCTION-BASE(ジャンクションベース)」は人、モノ、情報が交わる場所として設置された。

「さまざまなタイプのイスやテーブルを用意した。好きな場所を選んで、自律的に働けるスペースにした」と小松氏。背もたれの高いソファーに座って2、3人で作業することができる通称「ファミレス席」は人気スペースとなっている。

大和ハウス工業の東京本社・本店ビル
14 階に新設されたワークスペース「JUNCTION-BASE」。さまざまなタイプのテーブルやイスが設置されている。窓際の「ファミレス席」がいちばん人気(記者撮影)

JUNCTION-BASEには、取引先のメーカーがカタログやサンプル帳を置く「マテリアルクローク」を設けた。各事業部を紹介するパネルを設置するコーナーも確保した。

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