スズキが独フォルクスワーゲンへ提携解消申し入れ--鈴木修会長の会見内容を全文掲載
--提携でスズキ側が求めていたのはどのような技術だったのか。
原山保人副社長 当初、VWと提携する目的としては、エコカーで協力関係を築き、最終的にはスズキブランドとして開発・販売する計画だった。具体的には、VWの持つ技術情報を活用し、スズキが開発しているハイブリッド技術などを実用化に向けて加速させる、といったことだ。19.9%の資本関係を締結したことで、VWの持つ技術情報にアクセスし、活用できると考えていた。
ところが、実際に提携してみると、残念ながらこの程度の出資比率では、技術情報の利用が著しく制限されていた。とてもVWの技術を使って責任を持った自動車開発などできる状況にはなかった。さらに、予定していた技術を得られないだけでなく、その技術に関する情報交換をしただけで、VW側からスズキの行動に制約をかけるような状況が起きつつあった。
こういった状況はかなり早い段階からわかっており、トップレベルでの交渉も含めて改善を要望したが、いっこうに改善が見られていない。このまま進むと、今後のスズキの経営や発展にとっての足かせとなりかねない。
VWという「家庭教師」の力を借りず、独自路線を歩んだ方がスズキのためになる。VWとの調整に手間がかからない分、スズキのエコカー開発は加速化していくと自負している。
--逆に、スズキからVWに提供した技術開発には、どのようなものがあったのか。
原山副社長 具体的なことは言えないが、提携した直後から、さまざまな情報交換を技術陣中心にやってきた。たとえば、スズキの開発したエコカーをVW側に貸し出すような事例や、スズキが得意とする小型車の燃費改善技術について意見交換を行うなどしてきた。スズキの技術がVWにとって有用だったかはわからないが、誠意を持って情報交換をしてきた。