スズキが独フォルクスワーゲンへ提携解消申し入れ--鈴木修会長の会見内容を全文掲載
--スズキとVWの経営哲学の違いとは何か。
鈴木会長 09年12月の時点で言ったように、「スズキは自主独立を貫き、VWの連結対象にはならない」ということだ。スズキの生い立ちからしても、自分たちでコツコツやりながら、今日の規模を築いたと自負している。提携はしても、迷惑をかけず依存しない、ということが一貫した哲学だ。
もし依存するつもりであれば、最初から50%の株を渡してグループ入りすればいい。スズキの自主独立方針はVW側も理解していると思っていた。それが、3月のVWの決算書では「影響を与えうる会社」となっており、話が全然違う。自分の経営哲学を曲げてまで企業の在り方を変えていくことはできない。これは絶対に譲れないこと。その違いだ。
ただ、このようにわずか1年9カ月で提携解消という不幸な事態は、人間でいえば「結婚して、離婚した」のと同じ。お互いに揚げ足をとってああでもないこうでもないと言うよりも、にっこり笑って「縁がありませんでした」と、笑って別れるのが一番。
今後はスズキ独自で技術開発を加速化させる。技術陣は、昨年6月まではひんぱんにVWを訪れ、あれもこれもダメだとばかり言われるので、すっかり厭世気分になっていた。そこから離れ、「会長を心配させないためには自分でやらなきゃならない」と、開発が進んでいる。
--今回、“離婚する”とのことだが、一方的に提携解消は決められるのか。
鈴木会長 提携解消したいとは、離婚したいと申し入れたということ。1年9月間の関係は清算して、すべてを白紙にしなければならない。実際にプロジェクトとしてVWと進んでいるものは“何も”ないので、解消は簡単にできる。ただ相互の持ち株をどう処理するかが一番の難問だろう。