スズキが独フォルクスワーゲンへ提携解消申し入れ--鈴木修会長の会見内容を全文掲載
軽自動車大手のスズキは、12日、2009年12月に発表した独フォルクスワーゲン(VW)との包括提携について全面的な解消を申し入れたと発表。同日、鈴木修社長兼会長を含めスズキの首脳陣が都内で緊急会見を開いた。その会見の内容について、「東経オンライン」では質疑応答を含めた全容を掲載する。
鈴木修会長の会見
1年9カ月前の09年12月、スズキとVWは資本・業務提携関係について包括契約を結び、会見を開いた。提携した最大の理由は、VWを「家庭教師」として技術支援を受け、スズキのエコカーを中心とした技術開発を加速化するためだった。
スズキは50年間黒字経営を続けており、財務的には問題はない。ただ、スズキが望むような技術交流関係を構築する上では、VW側から一定の資本関係が必要であると求められ、相互に資本関係を持つに至った。
実際に提携をしてみると、VWによる当社への19.9%という出資比率では、期待した技術移転の効果が得られないことがわかった。技術提携は困難で、実際のプロジェクトも滞っていたというのが実態だった。その後も辛抱強く関係改善に向けて協議したが、進展が得られなかった。
ことの発端は、VWが3月に発表した10年度の決算報告で、「財務上、経営上に重大な影響を与えることができる会社」としてスズキを位置づけたことだ。大変驚いた。09年12月の提携会見の際、私はマルティン・ヴィンターコルンVW社長の前で、「20%を切る19.9%の出資比率でやるということは、連結上影響されない会社になることだ」と明言した。マスコミがヴィンターコルン社長に対してそういう理解でよいのかとたずねた際も、「スズキが言ったとおりでまちがいない」と答えている。