スズキが独フォルクスワーゲンへ提携解消申し入れ--鈴木修会長の会見内容を全文掲載

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 スズキの経営哲学は「自主独立」だ。これは、他社による影響を受けず、自立していくということ。私がVWの出資比率を19.9%にとどめたのは、スズキとVWはイコールパートナーであり、スズキが自主独立した会社であるということをVWが理解してくれたからだと思っていたが、だんだんそのへんがおかしくなってきた。

7月28日、VWの前社長であるDr.カール・ハーンがスズキの浜松本社に来た。Dr.ハーンとは、20年前にスペインで小さな自動車を造ろうと協力したころからの知り合いで、私もよく知っている人物だ。彼が来社した際、4時間ほど事情を話し、スズキの本音を伝えたつもりだ。しかし、その翌日の29日にVWは11年1~6月期の決算会見を行い、その場でハンスディーター・ペッチュ財務担当役員が、「VWとしてスズキとの提携関係を見直したい」と発表した。私はペチリの発言はDr.ハーンの報告を受けてなされたものであると理解している。

この事態を放置したままにすると、スズキの(経営の)足かせになりかねない。本音をVW側に伝える意味で、今回の提携解消を決定した。スズキにとって技術開発上の利益が得られるという前提で資本提携を受け入れた。業務提携を解消する以上、資本提携も解消し、VWの持つスズキ株の返還を求めていく。相互保有なので、スズキも1.5%、439万株(のVW株)を保有している。相互に相手の株を処分したい。

スズキはさまざまなOEM供給などの提携関係を結んでおり、各社となかよくビジネスを展開している。業務・資本提携がなくなったとはいえ、今後もVWとは対等にやれると思っている。1年9カ月と短い期間だったが、深入りせず、お互いの経営哲学の違いが早くわかってよかった。以上が今回の発表に至ったアウトラインだ。

***
 質疑応答の主な内容は以下の通り。

--7月29日以降、VWとのあいだに具体的なやりとりはあったのか。

鈴木会長 今日の提携解消発表の直前に、VWから「フィアットから1.6リットルのディーゼルエンジンを調達するのは契約違反である」という指摘があり、「スズキは投資先として有望なので、株式を保有し続ける意向がある」と通告があったのみだ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事