大手外食チェーンの値下げが相次ぐ背景には、顧客の消費マインドの冷え込みがある。前出の九毛九の決算報告書によれば、慫火鍋廠の2023年の平均客単価は113元(約2486円)と、前年より15元(約330円)低下。太二酸菜魚は同75元(約1650円)と前年より2元(約44円)低下した。
日本にも進出している火鍋チェーン大手の「海底撈(ハイディラオ)」も、2023年の平均客単価が99.1元(約2180円)と前年より5.8元(約128円)下がった。各チェーンの値下げは、顧客を繋ぎ止めるための懸命の努力にほかならない。
「火鍋は消費者の間で人気が高く、料理の粗利率も相対的に高い。消費マインドが低下している局面では、値下げで需要を喚起するのは合理的な選択だ」。食品業界のアナリストの朱丹蓬氏は、財新記者の取材に対してそうコメントした。
より低価格の新興チェーン台頭
もっとも外食産業全体で見ると、消費は必ずしも縮小していない。中国国家統計局のデータによれば、全国の飲食業の2024年1月から5月までの総売上高は前年同期比8.4%増加。同じ期間の(個人消費全体の指標である)社会消費品小売総額の増加率(4.1%)を上回った。
その一方、個人の消費マインドは間違いなく低下している。北京大学国家発展研究院のデータによれば、2024年3月時点の(消費マインドの指標である)消費者信頼感指数は128.04と、1年前より3.7ポイント低下、2023年12月との比較では4.5ポイント低下した。
一見矛盾して見えるデータの裏には、客単価がより低い新興チェーンの急成長があると見られている。例えばカフェチェーンの「瑞幸咖啡(ラッキン・コーヒー)」や茶系飲料チェーンの「喜茶(HEYTEA)」などは、フランチャイズ方式をテコにわずか数年で地方の中小都市にまで店舗網を広げ、新たな市場を掘り起こした。
(財新記者:孫嫣然)
※原文の配信は6月24日
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