豊臣秀吉が現代に甦って問題企業に喝を入れたら 豊臣秀吉が現代に甦って問題企業に喝を入れたら
 
IT企業の会議に出たコンサルがとんでもないことを…
新宿にそびえ立つ高層ビルの最上階─。
IT企業として名高い金田産業の広々とした会議室で、武田倫太郎は上座を見据えた。ひと呼吸置き、その視線の先にいるダブルのスーツに身を包んだ、仁王のような顔の偉丈夫に向けて口を開く。
「あなた方は企業価値の低い会社に高いデューデリ(※)をつけ、本来より安く買ったとして特別利益を出し、決算を粉飾した。違いますか」
(※)買収を検討している企業の詳細を調査し、リスクとリターンを適正に把握すること。デューデリジェンス(Due Diligence)の略
その言葉が終わらぬうちに仁王のような顔が歪み、一喝する。
「コンサル風情がなにを言い出すかと思えば、そんな言いがかりを!」
「金田社長。これは言いがかりではありません。事実です」
「まだ言うか!」
仁王顔の男が叫んだ。すると倫太郎の背後から低い声が響く。
耳にした者すべてを震え上がらせるような威厳に満ちた声に、倫太郎は、臓腑に石を突っ込まれたかのような圧を感じた。この声は、どうやら倫太郎以外には聞こえないようだ。





 
         
         
        
       
        
       
           
          
         
          
         
          
         
         
         
         
        












無料会員登録はこちら
ログインはこちら