パナソニックのデジタル製品には、「斬新なコンセプト」「まったく新しい提案」というイメージは希薄かもしれない。実際、よりよい製品の提案は得意だが、評価軸を変えてしまうようなイノベーティブな製品を作ることは得意ではない。
もっとも、パナソニックからしてみれば、自分たちも新しいことに取り組んでいるんだ!と反論したいに違いない。1990年代に作られたPHSを応用した端末「ピノキオ」は、世界初のスマートフォンと言える斬新な提案だったし、最近ならば本格カメラにスマートフォン的通信能力とアプリ対応力を持たせたLUMIX CM1といった変わり種もある。
“ideas for life"というパナソニックの標語は、必ずしも日常生活だけに向けられているわけではない、ということだろう。同社のウェアラブルカメラも、そうしたパナソニックのイメージを破る製品シリーズだ。
すっかり市場が縮んでしまったカムコーダ
“カムコーダ”といえば、ソニーの“ハンディカム”ブランドが、撮影・記録一体型ビデオカメラ製品の代名詞となり、結婚・出産といった慶事に不可欠の家電製品となっていたが、市場における存在感はすっかり小さくなってしまった。
製品が悪いのではない。創意工夫を重ねた結果、どのカムコーダを購入しても、満足できる性能を引き出せる。それどころか4K撮影だって可能になってきた。大切な時間をそのまま保存しておきたいというニーズに、今もカムコーダ製品は最新の技術で応えている。
しかし、“よりよいカムコーダ”を追求した結果、その分野に詳しい一部のマニアを除き、画質や機能の違いが見えにくくなっているというのも、また別の事実だろう。今やスマートフォンでも4K動画を撮影できる。スマートフォンなら、そのままネットで共有することも可能だ。
ではカムコーダはどうすべきなのか。どのようにすれば、「生き残りの道」に辿りつくのだろうか。
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