3年ぶり「iPod touch」の意外に重要な役割 iPhoneの影武者は「Android崩し」の尖兵に
アップルは最大の商戦である12月のクリスマス商戦に向けて、夏場から少しづつ製品ラインナップを整えていく。その戦略はずっと変わっていない。
ただし製品ラインナップのフォーメーションは大きく変わっている。現在の主力製品は、言うまでもなくiPhone 6シリーズだ。そのiPhoneを中心に据えて、アプリ、メディア配信、コンシューマ向けクラウドサービスなどを接着剤にしつつ、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、iPodといったデバイスが配置されていく――これがアップルの製品戦略である。
もうだいぶ前の話のようにも感じるが、かつてのアップルはど真ん中に「Mac」が存在していた。しかし残念ながら、Windowsと比較すると市場シェアが小さい。iPhoneがコンシューマ向けデジタル機器の”インフラ”と言えるほどの大成功を収めた今、中心は完全に変わっている。
アップルの製品ラインナップの作り方も、「その年のiPhone」を意識したものになっているよう見受けられる。長い開発期間を経て今年発売された新しいMacBookは、明らかにiPhone6ユーザーを意識したデザインである。
iPod touchは必要なのか
7月16日、約3年ぶりに第6世代となるiPod touchが発売された。これも、アップルの中心にあるiPhoneの影響を強く受けている製品だ。というよりも、これはiPhoneとあまりにも似通っており、「iPhoneの影武者」のような存在だ。
iPod touchはご存知の通り、iPhoneから携帯電話機能を取り除いた製品(実際には他にGPSを内蔵していないという違いもある)。iPhoneが発売になった2007年の時点では、iOSデバイスと消費者が出会うための接点として重要な役割を果たしていた。
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