3年ぶり「iPod touch」の意外に重要な役割 iPhoneの影武者は「Android崩し」の尖兵に
しかし、インセンティブ付きの販売形態が主流の携帯電話端末業界でiPhoneが確固たる地位を築くようになると、その位置づけ、存在意義が毎年問われるようになった。2012年10月……すなわち3年近く前にiPhone 5と同時期に登場した時にも「これが最後のiPod touchになるのではないか」と言われたものだ。
インセンティブ販売が行われない音楽プレーヤーの場合、価格面での魅力を出しにくいこともあるが、高性能なiPod touchはiPhoneのセールスにも影響を及ぼす可能性があると考えられたからだ。
その後、iPhone 5、5S、6/6 plusと歩む中で、iPod touchの必要性は常に問われ続けてきた。おそらくラインナップに存在していなくても、さほど大きな影響はないように思える製品だ。
しかしアップルは、iPod touchに新しい役割を与えた。まだ携帯電話を買い与えられない子ども向け、あるいはAndroidスマートフォンなど他プラットフォームのスマートフォンを使う利用者向けに、アップルの作るエコシステムへの入り口を作ることにしたのだ。
ポータブルゲーム機として秀逸
第6世代のiPod touchは、カラーバリエーションを除けば従来機種との外見上の違いはない。4インチのディスプレイサイズや解像度、88グラムという重さも同じ。メカニカルな特徴に変わりはなく、また従来機種と同じくGPSを搭載していない。しかし、iPhone 6と同じA8プロセッサ(動作クロック周波数は違う可能性がある)、800万画素CMOSセンサー搭載カメラを搭載。GPUの能力は10倍、CPUは6倍にパフォーマンスアップした上、アップルがiOS上のゲーム向けに提供している「Metal」という技術に対応させることで、ポータブルゲーム機としての可能性も拡げている。
iPhone 6と同じくM8コプロセッサも搭載されている。これは歩数や移動距離といった、各種センサー情報の記録を、メインプロセッサなしで継続して行うためのもので、今後、iOSでの活用が拡がっていく予定だ。
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