もはや「米中サイバー戦争」は避けられない? 米国防総省現役のサイバー専門家が警告
すでにアメリカは「サイバー戦争」に備えている
サイバー空間が新時代の「戦場」になることは、あらゆるところで見え隠れしている。
すでにアメリカ国防総省では、来たるべき戦争に備えて2010年に専門部隊「サイバーコマンド」を発足している。
また、2012年にはレオン・パネッタ国防総省長官(当時)がサイバー戦争を見越し、総予算(同省320万人分の人件費も含む)の5%にあたる310億ドル(約3.7兆円)を確保してまでスペシャリストの育成強化に力を入れたことは、大きな話題となった。
では、いったいサイバー戦争とは、どんなものなのか。目には見えない空間ゆえ、戦争の危険性といってもイメージが湧かないかもしれない。まずは基本的な話から押さえよう。
サイバー空間は拡大し続けているが、そもそもこの空間はどのくらいなのか。数字で表すと、少し実感が湧くだろう。現在サイバー空間には、10億を上回るウェブサイトが存在し、約29億人のユーザーが150億台超のコンピュータをはじめとする端末を使って、アクセスしている。7つの大陸をつなぐ海中ケーブルの長さは総距離にすると約90万キロメートル。これは地球の赤道距離に換算すると、なんと約217周にも及ぶ。
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