「無趣味は不幸」と思う人は幸せな老後を送れない 認知症専門医が進言する「本当に幸せな老後」

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逆に言えば、これまで健康状態に大きな問題がなかったからこそ、現状に感謝をすることが難しいのかもしれません。

そう考えると、心身ともに健康で長生きするということは、なんとも難しいものに思えてきます。

何をしていいのかわからない

朝起きて、なんとも元気が出ない。そうして無理やり起き上がるも、ひざが痛くてたまらない。それでもなんとか起き上がってはみたが、別にやることもないので、しばらくぼんやりと庭を眺めている。

朝からいきいきと「今日何を楽しもうか」なんて考えられる高齢者はまずいないでしょう。多くの場合「今日は何をすればいいのだろう」、そこから毎日が始まるのです。

このように、生きる目的がはっきりしない高齢者の生活を見て、あなたはどう思うでしょうか。

おそらく、否定的に捉えてしまうでしょう。

しかし、「何をすればいいのかわからない」と考えられる余裕があるだけ、じつは幸福だとも言えます。

いくつかの病気を抱えた高齢者は、痛みで動けず、1人で外出することもできません。家にいるしかないということになります。

認知症が進行した患者さんなら、朝、デイサービスの迎えの車が来ます。それに乗って通所施設へ行き、あとはみんなと一緒に体を動かしたり、頭の体操をしたりしなければいけないのです。

つまり、「何をしていいのかわからない」という人は、選択の自由を持っているということです。

昼食を食べたくなければ、食べなくてもいい。いつ食べてもいいし、何を食べるか自分で決めていい。こうした選択の自由は、じつは非常に大切なものです。

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