「無趣味は不幸」と思う人は幸せな老後を送れない 認知症専門医が進言する「本当に幸せな老後」
脳神経内科が専門の医学博士で、老人医療・認知症問題にも取り組む米山公啓氏による連載「健康寿命を延ばす『無理しない思考法』」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。
長生きしても充実した人生とは思えない
私の診療所に通院している、とある高齢者の患者さんがよく言う口癖に、「こんなに長生きしてもねえ、何もいいことないですよ」というのがあります。
90歳を過ぎて、1人で歩いて外来診療に来られており、そのこと自体、驚異的なことだと思うのですが、本人はそんな愚痴しかこぼさないのです。
この方以外にも、長生きしている方には愚痴が多く、「いやー、今日も充実した日ですね」と言う人はまずいません。
多くが、身体や家族の不満を私に漏らしていくのです。
医師として若くして亡くなった人をたくさん見てきました。そのため、90歳を過ぎて歩けることがどれほど素晴らしいか、実感を持ってわかるのですが、当人たちはなかなか自覚できないようです。
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