東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #「おふたりさまの老後」は準備が10割

子供いない夫婦「相続で失敗しない」1つの方法 家庭裁判所で「調停」が必要になるケースもある

6分で読める
  • 松尾 拓也 行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家
2/4 PAGES

Aさんご夫婦のようなケースでは、兄のBさんの対応は、次のいずれかになると思います。

①「遺産はいらない」と言う

②「遺産がほしい」と言う

「遺産分割協議書」への同意や実印の押印が必要になる

①のように、たとえ財産を放棄をしてもらえる場合であっても、相続手続きをするためにはBさんに印鑑証明書を用意してもらい、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の結果を書いた「遺産分割協議書」という書類に実印を押してもらわなければなりません。

「遺産分割協議書」などの書類を揃えなければ、預貯金や不動産などの遺産に手を付けることができないからです。

「夫婦ふたりの財産」の相続手続きをするはずだったのに、残されたAさんの妻が義兄のBさんに連絡をとり、頭を下げて協力をお願いしなければならないのです。

結果的に、Aさん夫妻のケースでは②となりました。

夫の兄であるBさんは、法定相続分を主張してきたのです。

妻と兄が相続人である場合、兄の法定相続分は4分の1です。

夫婦で協力して築いてきた財産にもかかわらず、3000万円の4分の1、つまり750万円を夫の兄に渡すことになり、Aさんの妻の取り分は、2250万円となりました。

Aさんの死によって、貯蓄額が大幅に目減りしたAさんの妻。

老後の生活設計にも、大きな影響を与えることになりそうです。

(「準備不足だったAさん夫妻はどうすればよかったのか?」その答えは本稿の最後に記します)

次ページが続きます:
【家庭裁判所での調停へ発展することも】

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象