子供いない夫婦「相続で失敗しない」1つの方法 家庭裁判所で「調停」が必要になるケースもある

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

Aさんご夫婦のようなケースでは、兄のBさんの対応は、次のいずれかになると思います。

①「遺産はいらない」と言う

②「遺産がほしい」と言う

「遺産分割協議書」への同意や実印の押印が必要になる

①のように、たとえ財産を放棄をしてもらえる場合であっても、相続手続きをするためにはBさんに印鑑証明書を用意してもらい、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)の結果を書いた「遺産分割協議書」という書類に実印を押してもらわなければなりません。

「遺産分割協議書」などの書類を揃えなければ、預貯金や不動産などの遺産に手を付けることができないからです。

「夫婦ふたりの財産」の相続手続きをするはずだったのに、残されたAさんの妻が義兄のBさんに連絡をとり、頭を下げて協力をお願いしなければならないのです。

結果的に、Aさん夫妻のケースでは②となりました。

夫の兄であるBさんは、法定相続分を主張してきたのです。

妻と兄が相続人である場合、兄の法定相続分は4分の1です。

夫婦で協力して築いてきた財産にもかかわらず、3000万円の4分の1、つまり750万円を夫の兄に渡すことになり、Aさんの妻の取り分は、2250万円となりました。

Aさんの死によって、貯蓄額が大幅に目減りしたAさんの妻。

老後の生活設計にも、大きな影響を与えることになりそうです。

(「準備不足だったAさん夫妻はどうすればよかったのか?」その答えは本稿の最後に記します)

次ページ家庭裁判所での調停へ発展することも
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事