下は東京都の選挙区の区割り地図である。
まずはじっくり見てみてほしい。
この区割り地図から、次のような仮説が成り立つ。しかもそれは有力だ。
選挙区からわかる「これからの不動産戦略」とは?
①原則として、駅名になっていない地名は不動産市場において強くなさそうだ。
②不動産市場において人口が多いのはよいことだが、2区に分割され、その区割りが1桁台と2桁台にまた裂き状態にされている区については、慎重に検討したい。
23区の人口増による1票の格差を解消するために、人口の多い区の選挙区の分割が急務となり、また裂きとなった区が続出した。分割された区は、選挙区そのものにつぎはぎ感が残る。人口の多い区の分割先の「引受先」になる場合もある。有力者が優位に選挙区を分ける「ゲリマンダー」という現象も起きやすくなる。
たとえば、世田谷区、大田区、杉並区、板橋区、足立区など、23区の外周部の区が2つ(複数)に分断されていることがわかる。
③選挙区行政上の区割りにすぎないが、実は大正時代以降の東京の人口爆発を背景としている。昔から中心だったエリアは、第7区(港区、渋谷区)、第10区(文京区・豊島区)を例外とすれば、住宅価値や地価の高い上位に入るところがほとんどだろう。
④今後、東京の人口が23区でも減るとすれば、過去の人口爆発の結果、1つの区を2つに割っている人口の多い区の人口減少が目立つ可能性がある。
⑤したがって、注意が必要なのは、1つの区を2つに割っている区、つまり世田谷区、足立区、杉並区、練馬区、板橋区などのうち、有名でないところ。つまり駅名などになっていないエリアだ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ライフの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら