サブカルチャーは時間遡行をどう描いたのか? SF作品から「時間の流れ」について考える
何かを失敗したとき、「時間を巻き戻せたら……」と思ったことのある人は多いでしょう。現実には難しくとも、SF作品に登場する主人公がいとも簡単に過去に跳躍し、自身の失敗や、誰かとのすれ違いを解消しようとチャレンジする姿は、私たちの好奇心を喚起します。
いったいどこまでが科学的に解説可能なのでしょうか? そんなサブカルチャーに描かれた「時間の流れ」について、サイエンスライターの吉田伸夫氏による最新刊『「時間」はなぜ存在するのか』よりご紹介します。
サブカルチャーに見る時間遡行
最近、漫画・アニメ・ゲームなどのサブカルチャーと呼ばれる分野で、「過去に戻ってやり直す」というプロットの作品がかなり頻繁に生み出されています。
「過去改変」とか「歴史改変」と呼ばれるプロットで、主にSF作品として構想されますが、ふつうに考えるとタイムパラドクス問題が避けられません。作家からすると、常識と反する状況が面白いのでしょうが、科学者は、パラドクスの有無がどうにも気になります。
SFの中には、読者や視聴者を幻惑するための仕掛けとして、タイムパラドクスを利用する作品もあります(ネタバレになってしまうので、具体的な作品名は挙げません)。
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