ソフトバンク孫氏が超知能「ASI」にご執心な理由 癌や事故をなくして人類をより進化させる
孫氏は、ASIがもたらす未来社会の変化について、「ガンで亡くならないようにしたい」「事故を1万分の1に減らす」など、具体的な例を交えて語った。ASIは個々のメンター、あるいは師範のような存在になり、人間が成長するうえで支えとなる存在になるとも説明している。将来的にはASIのような超知性が人間の為政者よりも安全な政治を実現する可能性まで示唆している。
ソフトバンクが持つASI実現の“パーツ”
孫氏は、ASIの実現こそ「ソフトバンクの使命、僕の決意、ソフトバンクが生まれた理由」だと熱く語った。
その筆頭は、半導体設計で世界をリードするArm(アーム)だ。アームはスマホ向けチップの設計図として99%以上の採用率を誇っており、世界中のスマホで同社の技術が使われているといっても過言ではない。
低消費電力のチップ設計を得意とするアームの設計図は、AIチップにも多く採用されている。GoogleやMicrosoft、AWSなどのIT大手のデータセンター向けチップがその例だ。そして時価総額で世界最大の企業となったNVIDIA(エヌビディア)のデータセンター向けチップセットにも採用されている。
孫氏は「(Armベースの)NVIDIAのGrace CPUは、同じ計算をするのに電力消費が圧倒的には少なくできるようになりました」と強調。「(ASIの普及において)電力は根本問題ですね。これから最大ボトルネックの一つになる」と述べ、この技術の重要性を環境問題と関連付けた。
また、ソフトバンクグループは、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を通じた多くのAIスタートアップに出資してきた。孫氏がプレゼンテーションの中で紹介したのは、自動運転のWayveとロボットのボストン・ダイナミクスだ。
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