だから日本の会社では「妊娠できない」! 「転職直後の妊娠」に踏み切った私の経緯

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今回は1つ目の要因について考えてみたいと思います。

「出産=長く休む」という発想が落とし穴

私の第2子妊娠には、実は伏線があります。転職先のチェンジウェーブという会社の佐々木裕子社長は、自身がワーキングマザー。転職前、最初に話をした時点で「もうすぐ第2子が欲しいと思っている」ということは伝えてありました。ランチをしながら、「すぐにでも第2子がほしいので、転職はするとしてもその先かと思っていたのですが…」と口にしたら、彼女は「なんで?別に転職してすぐ産休でもいいじゃない。だって戻ってくるんでしょ?」とあっさりOKを出してくれたのです。

佐々木社長自身、娘さんをご出産されたときは、クライアントと調整して、出産前後だけは外すようスケジュールを組んで、仕事に支障が出ない工夫をしていたそうです。上司に「自分は出産前後以外はがっちり働いた」と言われると、自分もそうせざるをえないとプレッシャーに感じる、という人もいるかもしれません。

しかし私の場合、1人目の育休中に大学院に通ったり論文を書いたりしていたので、育休中も自分が何かしら活動をしたくなるタイプであることは承知でした。聞けば、チェンジウェーブは在宅勤務もテレビ会議も普段から使っているといいます。加えて週3回からでも復帰社員として扱ってくれ、早期復職にはボーナスもあるとのこと。

「制度が充実しているからこの会社がいい」と思ったというよりは、2人目を妊娠・出産してもやりたい仕事が継続してできそうだと感じ、転職を決めました。そして「別に転職してすぐに1年、2年いなくなるわけじゃないのだから、今妊娠してもいいか」と思え、2人目妊娠にもチャレンジをしようと思ったのです。

実はその後、いざ決意を固めてからもなかなか授からない時期もあり、妊娠が判明したときは本当に転職直前で「さすがにこのタイミングはまずかったな」と思う面はありました。でも、思った以上に転職先の皆さんは妊娠を「普通のこと」として受け止めてくれ、「じゃあそれを前提にどう仕事を進めていこうか」というスタンス。そうなると、こちらもいっそう「ちゃんと貢献しよう」という気になりました。

前回の妊娠時は、部署の上司も同僚も9割方が男性で、残る1割の女性も子どもがいない人しかいないという職場。妊娠を言い出すまではひどく緊張し、ツワリの間も気持ち悪いと言えず、一方で仕事に対しては自分の中でもブレーキをかけまくっていました。多くの女性は今も、そういう中で心細く産休に入っていくと思います。

今回、私は2人目ということもありますが、妊娠を伝えるべき仕事関係者のうち9割が女性で、そのうち半分以上は子どもがいる女性。ツワリが軽かった人もいれば、重かった人もいる。専業主婦をしていた人もいれば、出産後さっさと復帰した人もいる。「働く母」の中でも多様性がある中、「気持ち悪くなったら言ってね」「大丈夫だと思います、無理そうだったらちゃんと言います」と、リスクをお互い踏まえたうえで動けるのは非常に気が楽でした。

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