だから日本の会社では「妊娠できない」! 「転職直後の妊娠」に踏み切った私の経緯

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もちろん、環境が変わったと同時にツワリが襲ってくる、しかも上の子の子育てもあるというのはしんどい面もありました。でも、とにかく気を使われる「過剰な配慮」ではなく、仕事はするという大前提で過ごしていると 「職場にとって、妊娠をすることは迷惑」という、どこかで自分の頭の中にあった考え方がほぐれていったように思います。

転職前は、「人数が多くて制度も使える大企業にいる間に第2子まで産んでしまったほうがお得かもしれないなぁ」「妊娠したら産休まで仕事はそこそこでやり過ごそう」という気持ちが心の奥にあったと思います。

別にこの時期、仕事のペースを緩めることが悪いわけではなく、体調によっては無理のない働き方が必要なときもあります。でも、どこかで「いかに働かずに済むか」という発想に近づいていた自分がいた気がします。だから「会社にとって迷惑」な感じになりそうだな、という予測がたち、「いま妊娠するわけにはいかない」という悪循環に陥っていた面もあると思います。

杉浦浩美さんの著作に詳しいですが、妊娠すると女性は職場でまったくの無配慮で「産む身体」であることを無視されるか、過剰な配慮で「労働する体」として認められなくなるかのどちらかに陥ってしまいがち。もう少し、日本のカイシャのあらゆる職場で「妊婦」の存在が異質なものではなくなり、個々人の体調などに合わせて働くという認識を共有できたら。日本のカイシャと女性のライフイベントはもう少し対立しないものになるかもしれません。

育休から段階的復帰するこれだけの利点

そして、少し前に出産をしようとした世代に比べれば、圧倒的に制度に恵まれている育休世代ではありますが、制度の大半はわりと“極端な選択肢”を突きつけるものになっています。

まず、育休です。認可保育園に入ると、フルタイムですぐに復帰することが求められます。仕事に戻らなければ保育料がかからないのに対して産後1年は給付金も出ますから、「1年近く、できるだけ長く育休を享受したほうがいいかな」と感じやすい設計になっていると思います。でも、もう少し「段階的な復帰」ができたら、「出産=長期でいなくなる」という風にはならず、ブランクも開きません。

私は1人目の育休のときに、子供が寝ている時間や一時保育などを使いながら大学院で勉強をしていました。育休を取らせてもらいながら別の勉強をしていたので、批判もあるかと思います。でも結果的にこの時期の「段階的な社会復帰」により、仕事に復帰した時、育休中に仕入れた情報、考えた問題意識が役立ち、ほとんどブランクを感じずに仕事を再スタートできました

子どもは子どもで、数時間ずつ預けていた時期に保育園生活の洗礼ともいうべき発熱や小さな病気を済ませて、実際に会社に復帰した後の1年間はほとんど保育園を休まずに済みました。2人目のときも在宅勤務などを使って段階的に復帰できたらなと思っています。

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