プロ野球オールスター戦が盛り上がらない必然 交流戦で他のリーグとの対戦はすでに実現

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2021年のオールスター第1戦(メットライフドーム、現ベルーナドーム)(写真:筆者撮影)

1958年の長嶋茂雄の入団以来、巨人をはじめとするセントラル・リーグとパシフィック・リーグは、観客動員でも、テレビでの試合中継の頻度でも、大きな差がついた。

それだけにオールスター戦は、パ・リーグの選手にとっては、巨人などセ・リーグに対して実力を見せつけて、存在感をアピールする重要な機会になった。

「実力のパ、人気のセ」というアピール

オールスター戦が近づくと、南海ホークスの大捕手だった野村克也を中心に、パの主だった選手たちが「作戦会議」を開き、これをスポーツ紙などが報道した。

オールスター戦前夜には、スポーツ紙だけでなく一般紙のスポーツ欄でも「西鉄・三原脩、巨人・水原茂両監督の因縁の対決(三原脩は水原の巨人復帰によって巨人を退団し、西鉄監督になった)」とか「南海のエース杉浦忠と、巨人長嶋茂雄、王貞治の対戦はいかに」などと前景気を煽り、両軍のラインナップを予測して、その優劣を予想したものだ。

通算成績はパ90勝、セ80勝、11引き分け。パはオールスター戦で勝ち越すことで「実力のパ、人気のセ」だとアピールしてきた。

名勝負がいくつも生まれた。

1971年、西宮球場での第1戦。セの先発投手、阪神の江夏豊は先頭打者のロッテ、有藤通世を皮切りに、パ・リーグの並みいる強打者から9連続奪三振。オールスターでは投手は3イニングしか投げられないから、これ以上の成績は望めない空前の大記録を樹立した。

1974年、後楽園球場での第1戦、パの1対2で迎えた最終回、代打で登場した阪急の高井保弘は、ヤクルトの松岡弘から代打逆転サヨナラホームラン。高井はこの年、NPB新記録となるシーズン代打本塁打6本を放っている。

1987年、甲子園球場での第3戦。セの先発は巨人の桑田真澄、パの3番打者は西武の清原和博。1回1死一塁で回ってきたPL学園でのチームメイトの初対決は、清原が左翼に大ホームランを打つ。桑田は負け投手、清原はMVP。

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