プロ野球オールスター戦が盛り上がらない必然 交流戦で他のリーグとの対戦はすでに実現

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昨年はWebでの投票が162万7362票、ハガキなど紙の投票が83万7518票、合わせて246万4880票(うち無効票が5681)だった。

2023年のオールスター第1戦(バンテリンドームナゴヤ)(写真:筆者撮影)

昨年のプロ野球の観客動員は2507万0169人だった。リピーターが多いので、1度でも野球観戦をした人は1000万人内外と言われるが、そのうち数人に1人しかオールスター戦投票に参加しなかったことになる。

オールスターのファン投票に参加する人が少ないから、特定の球団のファンがちょっとがんばれば「球宴ジャック」が成立してしまうのだ。未だに紙の投票が多いことも驚きだが。

オールスターのファン投票が伸び悩む事情

実はMLBでも「球宴ジャック」が起きかけたことがある。2015年のオールスター戦の中間発表で、ア・リーグのポジションの大半をカンザスシティ・ロイヤルズの選手が占めた。この年、MLBはハガキなど郵送による投票を禁止し、メール投票に一本化した。投票回数は1メールアドレスについて35回としたが、メアド認証の仕組みがなかったために大量の投票が可能になったのではないかと言われる。MLB側は不正と見られる票を大量に無効にするなどして「球宴ジャック」を防いだ。

昨年のMLBのファン投票の最高得票数はブレーブスのアクーニャJr.の308万2600票、次いでエンゼルス大谷翔平の264万6307票だった。これに対しNPBは、阪神の近本光司の76万9587票が最多。これを見ても、NPBオールスターのファン投票は「人気スポーツのわりに少ない」と言えよう。

なぜ、日本のオールスター戦のファン投票が「伸び悩んで」いるのか? その最大の原因は、近年のオールスター戦が、あまり盛り上がらないからではないかと思われる。昭和の昔は、オールスター戦と日本シリーズ以外では絶対に見られない「異なるリーグの選手の真剣勝負」が最大の見ものだった。

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