プロ野球オールスター戦が盛り上がらない必然 交流戦で他のリーグとの対戦はすでに実現

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筆者は毎年、オールスター戦を現地で観戦しているが、率直に言って「気の抜けたビール」みたいな印象があるのは否めない。

投手は、配球を考えず真っすぐを投げ込むし、打者はそれをフルスイングするだけ、作戦も、試合の機微も感じられない。試合中もにやにやと笑う選手が目立つ。

2013年、神宮球場のオールスター第2戦では、阪神・藤浪晋太郎が、日本ハム・中田翔に超スローボールを2球続けて投げた。大げさに避けるふりをした中田はバットを叩き付けてマウンドへ詰め寄った。あわや乱闘かと思えたが、二人は顔を合わせると笑顔で抱き合った。中田と藤浪は大阪桐蔭高の先輩後輩だが、球宴を盛り上げるためにこんな「演出」をしたのだという。ファン感謝デーならいざ知らず、伝統ある「球宴」では違和感でしかなかった。

また昨年のマツダスタジアムでの第2戦では、DeNAのトレバー・バウアーが球種の「握り」を相手打者に見せながら投球した。日本ハムの万波中正がバウアーから本塁打を打ったが、これも「茶番」のようなものだった。

オールスター戦の陳腐化

オールスター戦の主催者はNPB(日本野球機構)だ。NPBにとってオールスター戦の入場料収入や放映権収入は、貴重な収益源だ。

しかし、状況が変わりオールスター戦が陳腐化しているのは明らかだ。何らかの改革が必要なのではないか。例えば、同じくNPBが関与している「侍ジャパン代表」と「韓国、台湾代表」とのエキシビションマッチとか、「大学選抜」とNPBの「アンダー23選抜」の対戦とか、もう少し「プロ野球の素晴らしさ」を感じさせるマッチにすべきだと思う。

ファンの意見を取り入れて、何らかの改革に踏み出してほしい。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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