意外なメリットもたらす上手な「グチのこぼし方」 こぼされる側に必要なのは「ただ聞くこと」だけ
ちょっとしたマイナスの出来事でも、口癖のように「最悪」「最低」という人はいませんか。気持ちは、言葉に影響を受けるものです。気にしなくても構わないような小さな出来事にまで「最悪」「最低」と口に出し、自分の人生を不満だらけにするのはやめましょう。
また、場の雰囲気は、その場にいる人の言葉の影響を受けます。他人にどのような影響を与えるか、聞いた人がどう受け取るのか、ということを考える心遣いも大切です。
たとえグチの内容がもっともなものであったとしても、きつい口調で怒鳴り散らしたり、汚い言葉で周囲を攻撃したりすれば、組織に自分の居場所をなくし、却ってトラブルを招いてしまいます。
汚い言葉を聞かされては、周りの人も同情よりもマイナス感情が先に立ち、元は自分に理があったとしても、味方となって理解してもらうことが難しくなります。
とくに職場では、特定の個人に対する陰口・悪口が込められたグチは厳禁です。聞いた人は「もしかしたら自分もいないところでは言われているかも」と思ったり、言った人に裏表を感じてしまいます。
グチをこぼしている間に、仕事はできません。手を動かしながら話しているとしても、集中はできていないでしょう。何にでも悪いところを見つけ、小さなことにも不平不満の種を見つけてグチをこぼせば、「文句ばかり言っていて仕事をしない人」と評価されてしまいます。
適切なグチの「こぼし方」を身につけよう
グチは、たとえ「悪いグチ」でないとしても、そうそうこぼしてよいものではありません。グチをこぼす場合、信頼を失うような悪いグチにならないよう気を付けるほか、相手の気持ちに配慮することも忘れないようにしましょう。
不平不満をだらだらと垂れ流すのではなく、グチをこぼすのは、「この場限り」「この時間限り」と気持ちをしっかり区切るようにしましょう。
相手に「少しだけグチを聞いてもらっていいかな」と了解を得てからはじめ、グチは短く収め、聞いてもらった後には「ありがとう。おかげさまですっきりしたよ」と感謝の気持ちを示して終わるようにしましょう。
グチをこぼしたいとき、まずは「この状況を笑い飛ばせないだろうか」と考えてみましょう。物事自体は明るくできないとしても、「こうして話を聞いてもらえる仲間がいるんだから恵まれてるよね」と言うことができれば、自分の気持ちもその場もあたたかなものとなります。
人に対して何か不満がある場合には、陰口にならないように、「決して悪気はないと思うけど」「私の誤解かもしれないけれど」などと前置きをしましょう。そして、「あの人がひどい!」ではなく、「私はこう感じて辛くなっちゃった」と、私を主語にしてグチをこぼすようにします。
人でないもの(制度やシステム等)に対しては、「こんなのムダ」「使いづらい」等のグチだけで終わらせるのではなく、よりよくするための提案とセットにして伝えるようにしましょう。