意外なメリットもたらす上手な「グチのこぼし方」 こぼされる側に必要なのは「ただ聞くこと」だけ
聞き手への配慮をする余裕もない、というときは、身近な人にグチをこぼすべきではありません。有料のサービスなどを利用して聞いてもらうことがおすすめです。プロの人に聞いてもらうのであれば、守秘義務も守られます。聞く訓練がされているため、グチをさえぎられたり否定されたりすることもなく、存分に聞いてもらいましょう。冷静になり、解決策を考えることもできます。
グチを「こぼされる側」に必要なことは
最後に、グチをこぼされる側になった場合について、考えてみましょう。
グチをこぼされる側は、よかれと思って相手の悩みを解決してあげようと、自分語りをしたり、評価したり、あげくは相手が散々試した方法を「こうしたらどう?」などと、ついつい言ってしまいがちです。
自分がグチをこぼす側のときには「して欲しくない」ことをやってしまうのが人間です。
グチをこぼされる側になったときには、ただ聞くだけにとどめる、「大変だったね」と感情を癒してあげるだけにすることを意識してみましょう。
グチは、ネガティブな感情ですが、間違いなく自分の一部です。認めて誠実に向き合い、折り合いをつけていくべきものです。
グチをこぼすにも、職場において、マイナスの出来事であっても話せる、聞けるという関係を築いておくことはとても重要です。
グチというツールを通じて、逆境にあるときにも心のうちの不満や不安を適切な言葉で表出し、周囲とコミュニケーションをとることによって、前向きに対応できるようになれば幸いです。
産業カウンセラー。特定社会保険労務士。社会保険労務士法人プラットローム所属。大学卒業後、外資系計測器メーカー、参議院議員の公設秘書を経て現職。法律面での解決とともに、心理的な負担を減らせるよう「話を聴くこと」を大切に中小企業数十社の労務に携わる。著書に『グチの教科書』(マイナビ新書、2015年)。
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