意外なメリットもたらす上手な「グチのこぼし方」 こぼされる側に必要なのは「ただ聞くこと」だけ

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④有料のサービスを使う

聞き手への配慮をする余裕もない、というときは、身近な人にグチをこぼすべきではありません。有料のサービスなどを利用して聞いてもらうことがおすすめです。プロの人に聞いてもらうのであれば、守秘義務も守られます。聞く訓練がされているため、グチをさえぎられたり否定されたりすることもなく、存分に聞いてもらいましょう。冷静になり、解決策を考えることもできます。

グチを「こぼされる側」に必要なことは

最後に、グチをこぼされる側になった場合について、考えてみましょう。

グチをこぼされる側は、よかれと思って相手の悩みを解決してあげようと、自分語りをしたり、評価したり、あげくは相手が散々試した方法を「こうしたらどう?」などと、ついつい言ってしまいがちです。

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自分がグチをこぼす側のときには「して欲しくない」ことをやってしまうのが人間です。

グチをこぼされる側になったときには、ただ聞くだけにとどめる、「大変だったね」と感情を癒してあげるだけにすることを意識してみましょう。

グチは、ネガティブな感情ですが、間違いなく自分の一部です。認めて誠実に向き合い、折り合いをつけていくべきものです。

グチをこぼすにも、職場において、マイナスの出来事であっても話せる、聞けるという関係を築いておくことはとても重要です。

グチというツールを通じて、逆境にあるときにも心のうちの不満や不安を適切な言葉で表出し、周囲とコミュニケーションをとることによって、前向きに対応できるようになれば幸いです。

原 祐美子(はら ゆみこ) *公式サイトはこちら
産業カウンセラー。特定社会保険労務士。社会保険労務士法人プラットローム所属。大学卒業後、外資系計測器メーカー、参議院議員の公設秘書を経て現職。法律面での解決とともに、心理的な負担を減らせるよう「話を聴くこと」を大切に中小企業数十社の労務に携わる。著書に『グチの教科書』(マイナビ新書、2015年)。
企業実務
きぎょうじつむ

仕事をすすめるうえで必要な実務情報や具体的な処理の仕方を正確に、わかりやすく、タイムリーにお届けする月刊『企業実務』。経理・税務・庶務・労務の事務一切を一冊に凝縮。1962年の創刊以来、理論より実践を重んじ、“すぐに役立つ専門誌”を貫き、事務部門の業務を全面的にバックアップしている。企業実務の公式サイトはこちら

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