今年は昨年以上「夏の暑さに備える」ための養生法 今から始めて徐々に体を変えていくことが大事

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上手に汗をかいて体に熱をこもらせないことも重要です。

汗をかくには体を動かすこと、お風呂に入ることが有効です。

まず、運動ではウォーキングやランニングなどの有酸素運動を、ゆっくりしたペースから少しずつ始めてはいかがでしょうか。汗をかきすぎるのはよくないので、しっとり汗ばむ程度にとどめ、汗をかいた後はしっかり拭いて冷えを防ぎましょう。

入浴はシャワーで済ませず、湯船に浸かることをおすすめします。熱い湯や長風呂は熱がこもり、逆効果です。今の時期は40℃未満の湯に10分程度、全身浴するのがいいでしょう。全身浴によって水圧がかかり、体内の余分な水が排出されます。

重だるい、頭痛があるときの漢方薬

湿熱がこもらないような養生を心がけてもうまくいかない場合、漢方薬が有効なことがあります。代表的な処方が五苓散(ごれいさん)で、体内の水の偏在を正す漢方です。

気象病などでもよく使われ、二日酔いの予防などにも使われます。

西洋薬の利尿剤は体内の水を排出するだけですが、五苓散は余分な水は排出し、不足しているところには水を運びます。

湿熱がこもると体が重だるく、頭痛や関節痛などの原因になることもあります。そんなときは五苓散を服用すると、水のバランスが整い、症状が改善します。

湿気が多い日本では五苓散は特に需要の多い処方です。気になる方は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみるといいでしょう。

今回は、最近よく聞かれるようになったアロスタシスにスポットライトを当てましたが、アロスタシスは「未病治」「養生」などを重視する漢方医学になじみ深い考え方です。

昔の養生が、現代の健康法に通じるというのも、おもしろいものです。

平地 治美 薬剤師、鍼灸師。 和光鍼灸治療院・漢方薬局代表

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ひらぢ はるみ / Harumi Hiraji

東洋鍼灸専門学校非常勤講師、日本東洋医学会代議員。朝日カルチャーセンター、津田沼カルチャーセンターなどで漢方関連の講座を担当。明治薬科大学薬学部卒業後、漢方薬局勤務を経て、東洋鍼灸専門学校に入学。漢方治療の大家である寺師睦宗氏に漢方を、石原克己氏に鍼灸を、クリシュナU.K氏にアーユルヴェーダ医学を学ぶ。著書に『げきポカ』(ダイヤモンド社)、『舌を見る・動かす・食べるで健康になる』(日貿出版)など。You tube「平地治美・漢方チャンネル」も開設。ブログ「平地治美の漢方ブログ」。

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