今年は昨年以上「夏の暑さに備える」ための養生法 今から始めて徐々に体を変えていくことが大事

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漢方医学には「未病治(未病を治す)」という考え方があります。未病治とは、 養生によって病気になる前にその芽を摘み取り、健康を維持するという考え方です。

そしてその対策である養生のやり方は、季節ごとに異なります。今なら暑さに負けない体をつくる養生が必要で、それによって意図的にアロスタシスを促すことは、漢方の未病治の考え方に通じます。

3000年以上前に書かれた古医書『黄帝内経(こうていだいけい)』には夏の過ごし方として、<積極的に外に出て活動し、汗を発散すること>を推奨しています。

ちなみに、ここでいう夏とは、立夏(今年は5月5日)ごろから始まるとするので、本格的に暑くなる以前のこの時期から、意識的に活動量を増やし、汗をかくようにしていけば、夏の暑さへの準備が整います。

梅雨の時期に行いたい養生とは

では、アロスタシスの機能を高めるために、これから到来する梅雨の時期に行いたい養生とは何でしょうか。

この時期は湿度が高く、体に余分な水が溜まりやすくなります。

漢方では体内の余分な水に熱がこもった状態を「湿熱(しつねつ)」といい、さまざまな病気を引き起こす原因と考えられています。熱中症の原因にもなります。この湿熱を排出するのが漢方的な暑熱順化であり、アロスタシスのために行いたい養生といえます。

まず大事なのは、適度な運動や入浴で、発汗することで湿熱を外に追い出します(これについては後で述べます)。また、湿熱の原因となる食材を控え、排出を促す食材を意識的に摂るのもおすすめです。

夏野菜には、体の熱を冷まし、水分の排出を促すものが多くあります。具体的には次のようなものです。

湿熱を追い出す食材:スイカ、きゅうり、なす、えんどう豆、枝豆、そら豆、緑豆、レタス、はと麦、小豆、とうもろこしのひげ(茶)、コーヒー、紅茶、ジャスミン茶など
夏といえばスイカ。体の水分や熱を排出する作用がある。ただし冷やしすぎには注意(写真:shige hattori/PIXTA)
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