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飼いネコの「胸のしこり」放置で起きていた"悲劇" 9割は予防可能、知っておきたい「ネコの乳がん」

8分で読める
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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もう1つは、なるべく早い時期に避妊手術を行うことです。

乳がんの発生はホルモンバランスの変化と関係しており、初回発情前のなるべく若いうちに避妊手術をしておくと、乳がんの発生が抑えられます。

生後1年以内の避妊手術で予防可能

海外の文献によると、生後6カ月以内に避妊手術をすれば実に91%、1年以内で86%も乳がんの発生率が低下するというデータがあります。一方で、13カ月齢以降では避妊手術をしても予防効果はほぼなくなってしまいます(Overleyら、2005. J Vet Intern Med. 19: 560–563.)。

避妊手術には、繁殖ができなくなる、太りやすくなる、手術による一時的な体へのダメージなどのデメリットがあります。それを「かわいそう」だと感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、避妊手術は乳がんだけでなく、卵巣や子宮の病気の発生率や、発情期の問題行動を抑えられますから、メリットのほうが圧倒的に大きいといえます。

最近はペット保険もありますが、ペットが病気になるとたいてい自費診療となります。高額の治療費を避ける意味もありますが、なにより、家族であるネコが健康を維持しやすくなると思えば、避妊手術を避ける積極的な理由はありません。

とはいえ、デメリットもありますから、避妊手術をするかどうか、いつするかなどについては、かかりつけの動物病院でよく相談して決めてください。

人間と同じようにペットも長寿化が進み、これまで以上にがんに注意しなくてはいけなくなりました。

現在、ネコの死因は腎臓の病気と並んでがんが主要となっており、がんのうち一番多いのが乳がんとされています。ネコが長生きするようになれば今後ますますネコのがんは増えていくでしょう。

ネコの乳がんは早い時期の避妊手術や飼い主さんの日頃からの気配りで、予防や早期発見ができる可能性があります。

大切な家族とできるだけ長く一緒にいるために、これまでやっていなかったという方は、ぜひ今日から、マッサージによるチェックをしてみてください。

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