ゲーム開発のプロに学ぶプロジェクト管理のコツ PM初心者は「目的と手段を混同」して迷走する

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手段であるアイデアに固執するということは、ある種、独りよがりになっている状態とも言い換えられます。「とにかくこのアイデアがおもしろいからやってみよう!」とリーダーの熱意だけが先走り、メンバーの多くは疑問を抱えながら仕事を進めてしまっているケースです。

このような場合では、メンバーがプロジェクトを自分ごとに落とし込めていないため、「この作業をすることがどんな成果を生むのか」という仮説が抜け落ちていきます。仮説が無いと「その作業で成し得たかったことが本当に実現できているのか」という検証も行われません。

そうなると、作業をやること自体が目的化してしまい、作業のための作業になってしまう。いわゆる「やらされ仕事」をこなしている状態ですので、メンバーは上からの要求を最低限の水準でクリアすることをゴールに考えるようになります。

プロジェクトは、知的労働の集約です。「この目的を実現するためにAIを使ってみよう」「仕様決定後の変更を防ぐために、要件定義の打ち合わせの数を増やしておこう」など、それぞれの工夫や判断が不可欠。

目的に対してボトムアップの提案が出てこない状態は、メンバーのクリエーティブが発揮できていない状態です。仕事がただの作業に陥っているので、プロジェクトは失敗に終わります。

悩むビジネスマンのイラスト
(画像:エンジニアtype編集部)

アイデアを引き出しにストックする

ーー下田さんのお話を聞いて、時にはアイデアを捨てることも必要なのかもしれないと思いました。でも、アイデアを捨てる覚悟を決めるのって難しそうです……。

アイデアを大切にすること自体は良いことだと思います。あくまでも避けるべきなのは、手段であるはずのアイデアに固執してしまうことです。

周りのメンバーがそのアイデアをNGと判断していた場合は、何をしたってうまくいきません。その場合は、アイデアを捨てるのではなく、引き出しにストックするという考え方を持つことをおすすめします。

アイデアは、時代、周りにいる人、所属するチームや会社の状況によって、その価値が変動するもの。思いついた時はダメでも、数年間寝かせた上で、そのアイデアを実現すると成功につながる場合だってあります。

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