ゲーム開発のプロに学ぶプロジェクト管理のコツ PM初心者は「目的と手段を混同」して迷走する

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私はセガに所属していた時代、『ボーダーブレイク』という10年間続いたアーケードゲームを開発した経験があります。このゲームは、当時には珍しいオンラインでロボットを操作するTPSなのですが、ゲームのローンチまでにはかなりの時間がかかりました。5年ほどアイデアの提案と却下を繰り返していたんです。

アイデアは手札の一つです。自分の引き出しにストックして、必要に応じて出すものと考えられれば、一つのアイデアに固執しにくくなると思います。

経験不足は「社内外に転がる知見」にも頼って補う

ーーリーダーとしてプロジェクトを進めるにあたり、メンバーマネジメントの面で意識すると良いことはありますか?

作業に取り組む前に、「この作業を行うことのメリットは何か」といった仮説を提示すると、目的が明確になってメンバーもアイデアが湧きやすくなります。

そして、作業を進めた段階で仮説検証を行うことが重要です。検証といっても、論文のような複雑なエビデンスを伴う証明ではありません。仮説を進めた時の動作の確認だけでも大丈夫です。検証を明確に行うと、メンバーの当事者意識も生まれアイデアが出しやすい状態になります。

規模にもよりますが、多くの場合、プロジェクトは莫大な数の作業で成り立っています。これらの作業を複数名で協力してクリアしていくので、共通の目的意識を持たずに各メンバーが自由に動いてしまっては、無駄な作業で時間のロスが生まれてしまう。

だからこそリーダーは、プロジェクトの最優先課題である目的や、それを実現するための作業の優先順位を明確に示す必要があるのです。

その作業を行う際には、プロジェクトの目的だけではなく、想定ターゲットやプロジェクトメンバーのスキルレベルも考慮した上で、開発の基準となる方針をドキュメントでチームに示すことが一般的な方法でしょう。そして、個々のメンバーにとっての目的や作業、優先順位に落とし込んでいくのがお勧めです。

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