みんなの銀行頭取「27年度黒字化に全力尽くす」 ローンとBaaS伸長に手応え、デビットでも収益

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――前期末時点で5社だったBaaSの提供先も、今期末には11社まで増やす計画です。どういった企業を開拓しますか。

顧客基盤の大きさが一つのポイントになる。100万人や1000万人規模の顧客を抱えるパートナーにBaaSを提供できれば、掛け算で口座が増える。そうした先とは重点的にコミュニケーションを取っていく。住信SBIネット銀行のネオバンクや(楽天銀行がJR東日本に提供している)JREバンクといった事例のおかげで、事業者の間でもBaaSへの関心が高まっており、われわれへの問い合わせもかなり増えている。

われわれのBaaSは1口座当たりいくら、という値付けはしていない。使われない口座にまで手数料が発生すると、事業者がコスト倒れになるからだ。代わりに決済などの取引量に基づいた手数料体系にしており、事業者の負担感は低いのではないか。

成長投資は引き続き進める

――多くのネット銀行は、住宅ローンを収益源としています。みんなの銀行でも取り扱う可能性は。

取引をデジタルで完結させるのがみんなの銀行のコンセプトだ。現時点で(デジタルでは完結しない)住宅ローンをやる考えはない。われわれが銀行代理店として、福岡銀行の住宅ローンを提供する余地もあるが、ネット銀行の金利には敵わない。保険や金融商品の販売も、営業体制を整える必要がある。われわれのような小さな銀行では難しい。

ただ、向こう10年間住宅ローンをやらないとは限らない。将来的には住宅ローンもデジタルで行えるようになっている可能性もある。

――黒字化のために経費を抑える考えは。

マーケティングコストを抑えれば、経費は数億円浮くだろう。ただ、それをするとローンや口座獲得のスピードが落ちる。4年後の黒字化に向けた投資は進める。

――システム開発は当初アクセンチュアに外注していましたが、足元での内製化率は6割まで高まっています。外注によって固定費を下げるより、今後も内製化を進めますか。

アクセンチュアには、徐々に内製化を進める方針の下、協力してもらっている。100%にはならないだろうが、内製化が進むほど開発コストやコミュニケーションギャップが減る。

既成のプロダクトを買うと、その通りにしか使えない。外注と内製化では、新しいことにチャレンジするスピードがまったく違う。例えば生成AIについても、社内のエンジニアがプレーンなシステムを触りながら、さまざまな使い方のアウトプットが生まれている。

一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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