「虚偽だった性被害告白騒動」草津町長のあれから "加害者"から"被害者"となった4年半の軌跡
群馬県草津町の町長室で、黒岩信忠町長(77)と性的関係を結んだと虚偽の告発をした元町議の女性ら3人に対して、黒岩町長が名誉毀損で訴えた裁判で、前橋地裁は今年4月、女性らに275万円を支払うよう命じる判決を下した。
2019年に性暴力の「加害者」として告発されてから4年半。その間、一転して虚偽告白の「被害者」となった黒岩町長に、一審を終えて事件を振り返ってもらった。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
「我ながらよく戦ってきた」
ーー前橋地裁は、虚偽の告発をした元町議の新井祥子氏(55)に275万円を、新井氏の告発を電子書籍に載せたライターの飯塚玲児氏(57)には新井氏と連帯して110万円の支払いを命じました。別の元町議、中澤康治氏(89)に対する請求は棄却されました。
冤罪を晴らすためにものすごいエネルギーを使いました。町長としての公務をする中で裁判にも対応しなければいけませんでした。お金もかかります。普通の人なら泣き寝入りで終わってしまったかもしれません。死んでしまうこともあると思います。
よく戦ってきたなって、我ながら自分で思っています。世の中には冤罪のまま陰に隠れて生きている人もいるでしょうし、逆に性被害を受けて言葉を出せない人もいると思います。私は草津町のため、家族のため、そして最後に自分のために戦ってきました。
告発後に『草津温泉には行かない』というキャンペーンが起こるなど、ものすごいバッシングを受けました。世の中やインターネットの世界は怖いんだなと思いました。その中で、狭い草津の町民は私を信じてくれました。それがせめてもの救いでした。