くら寿司、迷惑客逮捕への「声明」にちらつく懸念 迷惑客にすら配慮したスシローとの「大きな違い」
大手回転ずしチェーン・くら寿司で、卓上のしょうゆ差しの注ぎ口をなめ、その様子を撮影した動画をネットに投稿した迷惑客が逮捕された。逮捕当日に「くら寿司」はコメントを発表した。この「くら寿司」のコメントに、ネット上は賞賛で埋め尽くされた。
だが、私は今回のくら寿司のコメントに「かなり強気で攻撃的な企業体質」を垣間見た気がした。その強気な姿勢に、一抹の危うさも感じたのだ。
そこで本稿では、同じ「寿司テロ」に直面しながら、「くら寿司」とは対照的な広報対応をとった「スシロー」と比較し、私の「懸念」を明らかにしていきたい。
いち早く、くら寿司はコメントを発表した
今回の逮捕を受けて、いち早く、くら寿司はコメントを発表した。「当社店舗(名古屋栄店)において迷惑行為を行った者の逮捕につきまして」と題された、このリリースから一部紹介したい。
まず驚いたのは、コメント発表のスピードだ。多くのメディアが犯人逮捕を報じる前に、コメントを発表していたからだ。通常、こうしたコメントは「逮捕の報道」を受けて、発表することが多い。報道前に警察から逮捕の連絡が入ってすぐに発表しないと、ここまで早い広報対応にはならない。
とはいえ、くら寿司は日常的に「きめ細かい、迅速な広報対応」を行ってきた会社ではない。実際、「迷惑動画」が騒ぎになったときも、特に自社サイトにコメントなどは発表していない。それだけに今回の逮捕への素早い対応に、「並々ならぬ怒り」を感じてしまう。
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